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歴史を知れば、未来が見える!

斎田喬、内山嘉吉、永井鱗太郎、栗原一登、宮津博、落合聰三郎、冨田博之。

こう並べられて、それぞれどんな人か、おわかりですか?「日本の児童青少年演劇・学校演劇の碑− 時代を創った7人の光と軌跡」と題して開かれるシンポジウムで語られる先人たちです。

7月26日(土)午後2〜5時、東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで、(社)日本児童演劇協会主催によるシンポジウムが開かれます(※1)。これは「日本の児童青少年演劇生誕 100周年記念」と銘打って開催されるものです。

今年2003年は、川上音二郎一座が「お伽芝居」として初めて子どもに向けた劇を演じ、また巌谷小波が「学校子供芝居」、つまり学校における子どもの演劇活動を提唱したのが、共に1903(明治36)年ということからして、ちょうど100年というわけです。

斎田喬以下の7人は、今日に至るこの100年の間に、児童青少年演劇と演劇教育の基礎を築き、発展・普及に尽力された人たちであり、この機にその足跡を辿ってみようという企画です。

では、7人を簡単に紹介しましょう。


1)斎田喬(さいだ・たかし)1895〜1976年/香川県生まれ

学校劇作家。小原國芳に招かれて東京・成城小学校の美術教師となり、自由画教育を実践。1921年秋、第1回学校劇発表会を開き、全国から 200名が参観、成城学校劇の礎を築く。1948年、児童劇作家協会=現・(社)日本児童演劇協会=を設立した。


2)内山嘉吉(うちやま・かきつ)1900〜1984年/岡山県生まれ

学校劇作家。成城小学校の美術教師となり、斎田喬に共鳴して学校劇活動を進める。のちに、兄・内山完造をとおして魯迅と交流し、木版画指導などで日中友好に尽くす。東京・神田で内山書店を経営。1957年から「日本児童劇作の会」会長を務める。


3)永井鱗太郎(ながい・りんたろう)1907〜1985年/福井県生まれ

児童劇作家。小学校教員の傍ら、1936年、東京で子どもたちを俳優とする劇団「子供町童話劇学校」を結成し、公演活動を行う。子どもの頃『赤い鳥』に触れる。長じて日本童話会劇部会長を務め、解散後は児童劇脚本研究会「こまの会」を主宰した。


4)落合聰三郎(おちあい・そうざぶろう)1910〜1995年/東京都生まれ

学校劇作家。東京の公立小学校に勤務しながら、1932年、学校劇研究会を結成して学校劇運動を進める。海外の児童青少年演劇への関心もいち早く、欧米の事情を日本に紹介し続けた。1967年、少年演劇センターを設立、機関誌『少年演劇』を発行した。


5)栗原一登(くりはら・かずと)1911〜1994年/福岡県生まれ

学校劇作家。日本児童演劇協会や国際児童青少年演劇協会日本センターの会長を務める傍ら、文部省教育課程審議会委員、国語教科書の編集や劇教材の執筆に携わるなど、演劇教育を公に位置づけようと尽力した。新制作座『泥かぶら』などの演出もした。


6)宮津博(みやつ・ひろし)1911〜1998年/神戸市生まれ

劇作家・演出家。「大人と子どもの共存する舞台」という演劇ジャンルを開拓。1928年、東京童話劇協会(のち劇団東童)を設立し、『青い鳥』『ピーターパン』など世界名作童話や当時無名の宮沢賢治作品を劇化し、築地小劇場などで公演活動を行った。


7)冨田博之(とみた・ひろゆき)1922〜1994年/福島県生まれ

演劇教育・児童青少年演劇研究家。スタニスラフスキー・システムに学び、子どもの演劇活動にエチュード方式を提唱するなど、演劇教育の理論化を図る。『演劇教育』『日本演劇教育史』『日本児童演劇史』など、後学の基本になる著書を多数遺している。


なお、このシンポジウムに関連した講演「日本の児童青少年演劇の歴史から学ぶもの」が、7月25日(金)午後1〜3時に同じ会場であります。講師は岡田陽・玉川大学名誉教授です。

この夏のこうした催しは、児童青少年演劇の現況についてあらためて考える機会です。また、学校の週5日制や「総合的な学習の時間」、地域の人との結びつきや専門家の出入りなど、新しい動きがなんらかの影響を及ぼし始めている演劇教育についても考える機会になるでしょう。

さらに、文化芸術振興基本法の施行や自治体の文化振興条例づくりなど将来のありかたについて想いを馳せる刺激になるかもしれません。時間をつくってちょっとのぞいてみませんか。

※1)子どもと舞台芸術ー出会いのフォーラム2003内企画
   「日本の児童青少年演劇生誕100年を記念」
      (社)日本児童演劇協会主催
      電話:03−5212−4771
      http://www.geidankyo.or.jp/kodomo-forum.html



(文・日本演劇教育連盟・市橋久生)2003/7/7