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鑑賞教室の現状はいかに?!
学校で演劇や音楽など舞台芸術の鑑賞教室がどのように開かれているのか、文化庁の委託を受けて(社)日本芸能実演家団体協議会が今年1月に調査した結果が、発表されました。たいへん興味深いデータが示されています。 1998年に同様の調査が行われていますが、2002年度に学校が週5日制になって、演劇鑑賞教室が減ってしまったという嘆きを、劇団の人たちからしばしば聞きます。本当のところはどうなのか、関心が寄せられていたところです。 この調査は、全国の公立・私立すべての小学校、中学校、高校、合わせて40,155校を対象にアンケート形式で行われたもので、このうち回答があったのは13,774校です。 質問内容は以下のように、詳細なものです。 ●鑑賞教室の実態を問う項目 実施の有無、作品の種類、公演団体名、公演時間、鑑賞した学年、鑑賞した児童生徒数、会場、開催方法(自校のみで・他校といっしょに、など)、家族や地域住民の参加の有無、決め方・選び方、料金、鑑賞教室の意義付け、文化庁主催「本物の舞台体験事業」の活用、公的な助成制度の活用の有無、ほか。 ●鑑賞教室以外に実演家の関わり方を問う項目 外部指導者招聘の有無、文化庁「学校への芸術家等派遣事業」の活用の有無、ほか。 加えて、今後の見通しについてなど、多岐にわたる質問をしています。さて、この結果から見えてくることは多々ありますが、気になることもいろいろあります。順不同でいくつか挙げてみましょう。 1,最も気になる「実施の有無・頻度」 84.1%で1年に1回は開催しているという数字が出ています。意外にも前回調査よりも若干増えている数字は、見方が分かれそうです。 2,「実施頻度」と「作品の種類」と関係があり?! なるほど「現代演劇」はかなり減っています。増えたのは、日本の伝統音楽、能・狂言、歌舞伎・文楽、日本舞踊などであり、日本の伝統文化への関心を呼び覚まそうという今日の動向とつながっていると思われます。 3,鑑賞した児童・生徒数は? 1作品当たり平均348人で、前回調査の416人からだいぶ減っています。これは、保護者の負担料金や公演団体が受け取る料金に直結することです。 4,1人あたりの料金は? 1人当たり816円です。前回調査では773円でした。一方、公演団体への支払いは50万円未満が6割を超えています。「この料金で見られるもの、招けるもの」が厳しくなってきています。 5,「家族や地域住民の参加の有無」は? 43.8%から51.2%に増えていますが、観客が増えることのほかに、おとながいっしょに見ていることの意義があります。 6,鑑賞会場は、「公立文化施設」の活用の度合いは? 鑑賞会場として「公立文化施設」の活用が増えているかと期待を込めて見てみると、数字はむしろ減り気味です。せっかくの施設ができるだけ活かされることを望みたいと思います。学校からの可能性の追求とともに施設側からの働きかけも必要でしょう。 7,選定の際の参考にする情報は何? 「ダイレクトメール」が大きく減っているのは良いのですが、実際に見聞きしたとか他校や研究会などで聞いた評判というのも減っているのは気になるところです。 下見したり前以て検討する機会が減ってきているのは、教員の勤務に余裕がなくなってきていることに関係があるのかもしれません。 8,文化庁主催「本物の舞台体験事業」や「学校への芸術家等派遣事業」の活用は? 「費用の公的な助成制度」を活用したか? いずれもイエスの回答は小さく、その理由の多くはそういう制度を知らなかったというのです。要するに「知られていない」ということが気になります。 文化庁から全国の(あるいは各自治体から)各学校に情報が届けられるはずのルートは、どこで消えてしまったのか、気になります。 総じて、学校の方では条件さえ充たされれば今後も実施したいという意向が見えます。 舞台芸術鑑賞の意義は理解されていますから、環境整備に行き届いた教育行政・文化行政を強く望みたいと思います。 なお、この調査結果の報告書『学校における舞台芸術鑑賞教室実態調査2003年版』については、芸団協・芸能文化情報センターにお問い合わせください。また、一部は文化庁のホームページ「地域文化情報ネット」でも公開されています。 ※芸団協ホームページ >>>http://www.geidankyo.or.jp/index.htm 芸能文化情報センター >>>03-5353-6606 ※地域文化情報ネット >>>http://chiiki.bunka.go.jp/ |
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(文・日本演劇教育連盟・市橋久生)2003/8/4
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