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あなたの町の「文化芸術振興条例」

最近、都道府県や区市町村などの地方自治体で、文化振興条例(名称はまちまちですが)をつくる動きが目につくようになってきました。

一昨年(2001年)暮れに制定された文化芸術振興基本法に続いて、その具体的な施策を示す閣議決定「文化芸術の振興に関する基本的な方針」が昨年12月に発表されましたが、その中に「地方公共団体は……文化芸術の振興に取り組むことが望まれる」と記されています。

そのひとつとして、条例制定の動きは今後加速されるものと思われます。

すでに制定している自治体は、制定年度の早い順に以下の4都道県と16区市町です。★印の条文は「地域文化ネットワーク』第3号(1994年10月発行/日本演劇教育連盟編)に掲載されています。

1・1974年度 釧路市文化振興条例(北海道)…B
2・1982年度★秋田市文化振興条例(秋田県)…B
3・1983年度★東京都文化振興条例…なし
4・1983年度★津市文化振興条例(三重県)…B
5・1985年度★横須賀市文化振興条例(神奈川県)…なし
6・1986年度 江戸川区文化振興条例(東京都)…B
7・1988年度★熊本県文化振興基本条例…B
8・1993年度★北海道文化振興条例…B
9・1994年度★様似町文化振興条例(北海道)…A
10・1995年度 矢吹町文化・スポーツ振興条例(福島県)
11・1996年度 富山県民文化条例…AB
12・1997年度 士別市文化振興条例(北海道)…B
13・1997年度 出雲市文化のまちづくり条例(島根県)…AB
14・1997年度 太宰府市文化振興条例(福岡県)
15・2001年度 苫小牧市民文化芸術振興条例(北海道)…AB
16・2002年度 四日市市文化振興条例(三重県)…B
17・2002年度 目黒区芸術文化振興条例(東京都)
18・2002年度 春日井市文化振興基本条例(愛知県)…AB
19・2002年度 気仙沼市文化芸術振興条例(宮城県)…A
20・2003年度 牛久市文化振興条例(茨城県)…A

さて、ここで次のことに注意してみたいと思います。それぞれの条例では

A.子ども、あるいは青少年のことにふれているか?
B.財政措置が明示されているか?

という点です。上にABで印しましたが、比較的新しくつくられた条例にはABがともに記される傾向があるようです。

「子ども、あるいは青少年」も「市民」であることは言わずもがなのことですから、ことさらに言わなくてもという考えもあるでしょうが、条文のなかに明示されていると、行政の施策の中で具体的に取り組まれることが期待できます。

子どもの頃から演劇やさまざまな舞台芸術に親しむ環境を、これからの社会につくりたいと考えると、条例に「子ども」が明示されていることの意味は大きいと思います。

財政措置はどうでしょうか。
何につけても、法は制定されても下手をすればお飾りにされているだけで、実力を発揮されないものがままありがちです。したがって、せっかく振興条例がつくられても、そのために予算をつけることが明記されている否かは、分かれ道になるかもしれません。

各条例を見てみると、「財政措置を講じる」と書かれているものと、「助成」が示されているものがあります。その助成も「行う」「行うことができる」と言い回しの微妙な違いが目に留まります。

ところで、自分の住むまちではどうでしょうか。
文化芸術団体や子どもに関わる運動を進めている人たちが積極的に働きかけることによって、条例制定もその中身の充実・実行も期待できるのでしょう。また、ほかの自治体の事例の情報交流も参考になると思います。

文化庁発行の『文化庁月報』がこの4月号から順次紹介しています。
せっかく制定された「文化芸術振興条例」が、しっかりと実行力のあるものになるように、アンテナを張り巡らせて、現場からの働きかけを続けてゆきましょう。



(文・日本演劇教育連盟・市橋久生)2003/9/1