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ビバ!稽古場!Vol.2〜演劇練習館・アクテノン〜

今回は、名古屋市中村区にある「演劇練習館・アクテノン」をご紹介します。

ここは昭和12年に配水塔として建設された建物を、約12億円もの費用をかけて改修 工事し、1995年12月、演劇を中心とした舞台活動の練習場所施設「アクテノ ン」(アクト+パルテノン)として蘇りました。

直径33mの円柱状の建物の周囲に、16本の円柱を配したギリシャ神殿風の外観 は、名古屋市の都市景観重要建築物に指定され、建設省の都市景観大賞も受賞してい るほどの美しさを誇っています。また、その中身は、アップライトピアノや鏡、ロッ カーが5つの大練習室と3つの小練習室の全てに設置され、5階のリハーサル室は、 照明も音響も充実し、本格的な公演を行えるほどの設備が整っています。

こうしたハード面の充実はもちろん、アクテノンの最大の魅力は、「利用者の立場に 立った積極的な管理」という考え方です。

公共施設を利用したことのある方ならば、必ず1度は感じる疑問……。それは、「利 用料を払って、ルールも守って、きちんと利用しているのに、管理者の方々はどうし てそんなに対応が悪いの?」というささやかな疑問です。

アクテノンが開館する3年前(1992年)のある日、市長(当時)の西尾武喜さん が小耳に挟んだのが「演劇練習場が欲しい」という市民の声でした。かねてから街の シンボルとなっていた配水塔の有効活用について頭を悩ませていた西尾さんは、早 速、調査を開始。ニーズがあるとわかると、すぐに3億円(!)の調査事業費を計上 し、市内で活動している文化人10人を集めて「演劇練習場に関する意見交換会」を 何度も何度も開いたのです。

「演劇を観る人より、やる人の方が多い」と、一般市民から皮肉を言われるほどに演 劇が盛んな名古屋。当然、日頃から稽古場に頭を悩ませている演劇人も多く、利用者 の立場からの突っ込んだ意見や具体的な要望が、溢れるように出てきました。この意 見交換会は、開館後も利用者の代表者を集めた運営委員会として引き継がれ、理想的 な運営が可能になるまでの数年の間、何度となく繰り返されてきました。こうして出 来上がったのが、利用者の立場に立った今日の「演劇練習館・アクテノン」なので す。

さて、ここで気になるのが、具体的にどのような形で利用者の立場に立っているかと いうこと。例えば、各階に置かれたポットには常にお湯が沸いており、カップラーメ ンやインスタントコーヒーなどが気軽に作れる。隔月で発行される機関紙の「アクテ ノンに一言」のコーナーに意見や要望を投稿すると、運営の検討材料として会議にか けられ、実行される。
1年契約でカギを借りられる大型ロッカーがある。研修室に簡 易印刷機、ミシン、アイロン、電気ドリル、丸ノコなど、スタッフワークに必要な ツールが揃っている。定期利用や、公演日にあわせた連続利用(30日以内)ができ る。夜9時までに延長を申請すれば、深夜0時まで利用できる。帰り際に、警備員さ んが「お疲れ様でした」と声をかけてくれる。…………演劇人にとってみれば、羨ま しいこと限りなしです。

また、施設の利用団体が参加する「アクテノンフェスティバル」も注目です。開館初 年度の秋、「施設管理だけではなく、自主事業をやってこそ、職員も育ち、地元市民 も引き付けられるのではないか」という思いで企画されたこのフェスティバルは、事 業予算0円からのスタートでした。しかし、2年目からは中村区の区民祭り実行委員 会や、文化振興事業団から予算がつくようになり、今では中村区の大切な文化事業の 一つにまで育っています。

「あれは駄目、これは駄目」と規制するのではなく、積極的に劇団が頑張れる場所を 作り、応援してくれる管理者がいてこそ、精一杯舞台で恩返しをしようと頑張れるも のですよね。こんな稽古場が全国にもっともっと増えれば、そこからきっと素敵な劇 団が育つと思いますよ。もっと出てきて!第2のアクテノン!

(文・K)2001/12/3





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