|
|
|
ビバ!稽古場!」Vol.3〜パピオ・ビールーム〜
今回は、福岡市にある音楽・演劇練習場「パピオ・ビールーム」をご紹介します。 ビールームは、スケートリンクとボーリング場があるビルの地下にあり、14もの練 習室と7つの楽器庫、大道具室や4つの倉庫。さらには300席の劇場にもなる大練 習室が「蜂(bee)の巣」のように並んでいます。 また、利用制度も充実しています。毎週同じ時間に、希望の広さの練習場を確保でき る「定期利用」。公演前の1ヵ月間に、稽古場が虫食い状態にならずに確保できる 「長期利用」。この2つのシステムは、ビールームの“看板”と言って良いでしょ う。 この2つの制度と、充実した設備のおかげで、本番に近い状態での稽古を多く積むこ とができ、また、文化団体の水準を高く保つことが出来るのです。 しかし、この理想的な制度と施設を持った練習場が出来るまでには、10年という長 い歳月が費やされていたのです。 まず、このビールームの誕生のきっかけになったのは、今から20年前、81年2月 に生まれた音楽団体の団結でした。よりよい音楽文化を提供するために、福岡で活動 をしている音楽団体が集まり、同年10月には福岡音楽団体連絡会が結成されたので す。その後も、演劇関係者が集まった劇団協議会と力を合わせ、練習場の建設を県や 市に訴え続けました。 建設計画が具体化しつつあった82年には県の、88年には市の反対を受けるなど、 2度も御破算になりそうになったものの、関係者達の粘り強い活動のおかげで、91 年3月、ついに音楽・演劇練習場「パピオ・ビールーム」として開館したのです。 制度については、開館前年に担当として異動してきた二宮正博さんの地道な活動によ るところが大きいようです。 二宮さんは、文化行政に関しては全くの初心者だったそうです。そのため、「担当に なったのはいいが、どう運営していくべきか?」と考え、音楽団体や演劇団体の関係 者から話を聞いたり、実際に練習を見学に行ったりしました。そうして勉強をするこ とで、高水準の文化事業をささえる為の練習場に必要な知識を、グングンと吸収し、 今の2つの利用制度が確立されたのです。 開館から20年。福岡は文化の地として、大きな成長を続けています。98年には 「博多座」が完成するなど、文化施設の充実振りからも、その成長がうかがえます。 「理想的な練習場が欲しい」と、ただ口をあけて待つだけでは何も生まれません。 文化芸術の大切さ、それを支えるために何が必要なのか、芸術に携わる本人達がしっ かりと理解し、強く訴え続けることで、人は初めて動きます。 今の社会のせいにしないで、自覚を持って運動する事も、私たち芸術に携わる人間に とって、重要な仕事なのかもしれませんね。 |
|||||
|
(文・K)2001/12/17
|