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ご近所劇団 Vol.1 〜青春座〜 

「芝居を観る機会がないんだよね〜」なんて言葉、聞いたことありませんか?

演劇はまだまだ知名度の低い芸術、ちょっと偏りのあるマニアな人たちの娯楽、そう 思われがちですが、そんなことはないですよ、絶対。

確かに、名の通ったプロによる演劇は東京や大阪に集中しているため、地方ではなか なか観劇する機会に恵まれないかもしれませんが、日本全国には、普通に仕事を持つ 会社員や学生たちが集まって、時にはプロ以上に素敵な舞台を創っているんです。こ れから数回に分けて、素晴らしきアマチュア劇団の活動をご紹介します。

第1回目の今日は、北九州で活動を続けている「青春座」。

青春座は第2次世界大戦が終わった1945年(昭和20年)10月、日本中が瓦礫 の山と化した時代に生まれました。当時の劇団員は16名。「北九州の復興は演劇に 寄るしかない」という信念のもと、地域の歴史や文化を掘り起こす地道な活動を始め たのです。

時代が進むにつれて、テレビやレジャー等の娯楽が多様化し、演劇離れが生じたので しょう。劇団員が数名しかいない時期もあったようです。しかし、「青春座のアイデ ンティティーは地域にある」「北九州の文化は青春座が創る!」という強い信念のも と、休むことなく公演活動を続けました。そして、1960年には全国青年演劇大会 で最優秀賞に輝くなど、徐々にその成果が認められていったのです。

青春座の大きな柱は3本。青春座の中心路線であり、存在意義でもある「郷土シリー ズ」。進化しつづける社会をドラマとして捉えて、常に新しいものを発信し続けるこ とが演劇人の義務だ、という思いで取り組んでいる「現代シリーズ」。次代を担う青 少年に夢と感動を送り、心の成長を助けるのも演劇の大切な役割である、という「児 童劇シリーズ」。

どの作品も、またその根底に流れる理念も、アマチュアとは思えない、プロ顔負けの 劇団として成長をし続けてきました。

そしてついに、1970年、北九州市民文化賞を受賞。その後もサントリー地域文化 賞や文部大臣表彰を受けるなど、北九州の文化を第一線で支える劇団として市民に認 められるようになっていったのです。

劇団の旗揚げから57年。これまでに劇団に所属した市民は1000人を越すといい ます。現在の劇団員は36名。学校の先生や工員、公務員、学生、OL、サラリーマ ン等々、職業も年齢もバラバラですが、地域の演劇祭参加から中国での海外公演をこ なすなど、幅広い活動を続けています。

演劇は決して生活から遠い存在でもなければ、偏ったマニアな芸術でもない。ちょっ と視野を広げれば、すぐ隣にある身近な存在なんだということを、青春座は教えてく れているような気がします。

あなたの町にも、元気に活動している劇団があるはずです。耳を澄まして、目を開い て、あなたの町で頑張る“隠れた名劇団”を探してみてはいかがですか……?

(文・K)2002/1.21





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