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貸館で地域活性化計画
公共ホールの業務は、自主事業と貸館事業の2つに分けられます。しかし、ここ数年、予算の削減や採算性の問題から、自主事業から撤退し、いわゆる“貸館”事業のみに移行するホールが増えているようです。 確かに、自主事業はお金もかかるし、職員への負担もかなりのものです。しかし、ただ貸館にしたからといって、職員の負担が減ったり、ホールの業績が伸びるかというと、そうではありません。 貸館を利用する団体は、地元の住民が中心になっている場合がほとんどです。そして、彼らが文化に対してとても興味を持っているからこそ、ホールを利用しているわけです。そんな人たちを、まずは「ホールのファンにすること」、これが貸館の最大の任務になってくるのではないでしょうか。 では、その為には、どんなことが出来るでしょう。 ●地域とのコミュニケーション 貸館というと、「申請書を出して、お金を払って、借りるだけ」というイメージが強くあります。利用者が職員さんと話すことも滅多になければ、顔を見ないままのことも多いでしょう。 しかし、ここで一歩踏み込んで、「どんな団体が利用しているんだろう」「地域にはどんな才能が眠っているんだろう」「地元では何が関心を集めているんだろう」という気持ちで、利用団体とのコミュニケーションを図ってゆけば、次の事業に繋がる素晴らしい情報が得られるはずです。 また、利用団体はアマチュアの方が多く、制作的な悩みを抱えている場合が多く見られます。彼らにアドバイス出来るのは、地域の中では、おそらくホールの事業担当者くらいしかいません。 確かに、たくさんの業務を抱えている中で、1つの団体につきっきりでアドバイスすることは出来ませんが、1回でも2回でも場を持って相談にのってあげることは、地元団体との信頼関係を築き、ホールへの愛着を持ってもらうためにも、とても大切な仕事となってくるのです。 ●存在のアピール 次に、よくホールの方々と話していて耳にするのが、「若者層が集まらない」ということ。どんなにいいものをやっても、10〜30代の若者が来てくれないというのです。 宣伝方法を見てみると、チラシを作って、ホールのチケット窓口に置くか、市や区で出している広報誌・情報誌に載せるくらいです。ただ、10〜30代の若者が、これだけの情報化社会の中で、市や区の情報誌をどれだけ見ているかというと、かなり疑問です。 しかし、ホールを利用する団体の中には、若者だけの集団も多いのではないでしょうか。そんなホール利用者に向けて、ダイレクトメールを出したり、「今回のは、こんなところが勉強になりますよ」と声をかけることは、チケット窓口の置きチラシより、市や区の情報誌より、はるかに有効的な宣伝になってくるのです。 また、そうすることで、ただ借りていただけのホールが、情報を発信し、文化を広めてゆく基地として、新たな認識を持たれることでしょう。 ●ホール間のネットワーク 地域にはいろいろなホールがあって、それらがフル稼働していれば、それだけ地元の文化も活気づきます。しかし、「今月、自分のホールはいっぱいなので、申し込みを断りました。次の月は、申し込みがないのでガラ空きです」という、受け身的な状態では、文化が活気づくこともなければ、稼働率を上げてゆくことも出来ません。 そこで、ホール同士のネットワークを広めてゆくことも大切です。福岡県などでは実際に行なわれているそうですが、いくつかのホールが協力し合ってネットワークを作り、自分のホールがいっぱいでも、他のホールの空き状況を調べて、利用者に紹介するのです。 これは、利用者へのサービスにも繋がりますし、職員も、地域全体のことを積極的に考える意識改革にも繋がります。また、民間のホールでは決して出来ないサービスとして、公共ホールの存在をアピールする事にも繋がるのです。 この他にも、貸館だから出来ること、公共ホールとしてやらなければいけないことはたくさんたくさんあるでしょう。不景気だからといって文化事業を削るのではなく、不景気だからこそ意識を変えて、積極的にホールをプロデュースすることをしてゆかなければいけないのです。 赤字をなくすことではなく、「地域の人たちで賑わっていること」、これが公共ホールの存在意義……。そこから、離れるばかりのホールって、多くありません? |
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(文・K)2002/9/16
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