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住む町を、発信する町へ!〜堀池高彰さん〜
今日では全国にたくさんの演劇フェスティバルが開かれていますが、1991年から9年間、静岡市で開かれていた「しずおか演劇祭」はたいへんユニークな主旨の催しでした。国連の「国際障害者」の最終10年目を期して始められたもので、「障害者との共生」を、演劇を通して考えようというものでした。 この催しの事務局を担当されたのが、堀池高彰(ほりいけ・たかあき)さんです。実行委員会が組織されましたが、それまで演劇に直接関わっていたのは堀池さんらほんの数人で、大半は主旨に共鳴して参加された人たちばかりでした。ですから、企画・準備の当初から試行錯誤の連続だったと言います。 主旨に共鳴し、日程に照らし合わせて参加可能な公演団体・個人を探し求めるところから始まりました。結果、毎回1ヵ月近くにも及ぶ祭典に、多彩な劇団や俳優たちが出演しています。デフ・パペットシアターひとみ座、文学座、日本聾者劇団などのプロの舞台、地元・静岡で活動しているアマチュア劇団。 そして、「主催者劇」と称した公募による市民参加舞台。これには子どもから年配者まで、また車椅子や盲導犬も一緒に舞台に登場するという、大変興味深いもので、いつも満席の人気でした。 演劇と福祉の接点を求めて、観る者、演じる者、運営する者、みんながわくわくするような「しずおか演劇祭」は、1999年に一応の幕を閉じましたが、堀池さんのその後は静岡県演劇協会の事務局長として、さらに活動を広く展開されています。 「中学生のためのコミュニケーションワークショップ〜自分がちょっと新鮮になるための演劇体験室〜」「演劇カタログ」などの企画と運営の中心になって、全県に演劇文化の環境をつくりだそうという活動です。 前者は、2001年、2002年に続いて、今年の8月にも開催されるものです。中学生に演劇の体験をとおして身近なコミュニケーションを考えてもらいたいという願いで始められました。 自分を見つめ、自分と他者の関係を見つめ直してほしい。そして、自分が発信すること表現することが、他者からの発信を呼び起こすのだということを実感してほしい。そんなねらいの合宿です。初対面同士の中学生たちですが、「ずっと心に残る、もったいないくらい楽しかった1泊2日」などの感想を残しています。 後者は、1999年、2001年、2003年と隔年で開催されています。県内のアマチュア劇団が協力して、演劇(演じる・観る)の裾野を広げようとして始められたもので、3回目の昨年は10月の2日間に、静岡市のサールナートホールで県内5劇団が公演しました。 そのほか、昨年は「平和のための戦争なんて…朗読と歌による舞台人からのメッセージin静岡…」や県内の音楽家のコンサートへの協力(舞台監督ほか)など、芸術文化の創造と普及に関することに奔走されています。 なにもかもが東京・大阪など大都市に集中する社会ですが、この静岡の堀池さんのように自分の住むまちに広く目を配り、自分のまちから発信する人々が全国各地にいることも確かです。そういう人たちの働きにおおいに注目したいと思います。 |
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(文・日本演劇教育連盟・市橋久生)2004/3/1
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