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Still waters run deep 〜太田久美子さん〜

“Still waters run deep." 深い川ほど、静かに流れる……。
英語教室を開いている太田久美子(おおた・くみこ)さんを見ていると、中学生のころ英語辞典で見つけたこの言葉を、ふと思い出します。

宮城県は自宅のある登米郡迫町と仙台市の2ヵ所で、幼児から高齢者までを対象に、英会話を主とした英語教室を開いていますが、それとは別に、子どもや親子を集めて「表現あそびの会」を行っています。今では「どちらが本業(本来活動)かわからない」と笑うほど、この表現あそびの活動に力を入れています。

仙台市青葉区の木町通り児童館は仙台駅からバスで十数分の、マンションとオフィスが併存する街中にあります。ここでは月2回、子どもや親子の表現あそびの活動を行っています。床はフローリング、天井はバレーボールやバドミントンもできそうなほど高く、20人ほどが、太田さんのしかけにのって遊びに興じています。

さまざまなコミュニケーション・ゲームやらことばあそびやら。あるいは「集中」のエクササイズやら身体表現やら。今人気があるのが「だるまさんがころんだ」の変わりバージョン。「ぞうさんがころんだ!」と叫べば象の格好でストップモーション。

職員やボランティアの学生もまきこんでの遊びの時間・空間は、開館まもないこの児童館のこれからの大きな楽しみになりそうです。

表現あそびの会は仙台から新幹線で一駅北の古川市でも展開しています。

太田さんは、東京でOLをしていた頃、英会話をMLS(Model Language Studio)に通って演劇形式で学んだことが、その後の活動を開いたと言います。英会話も要するにコミュニケーション。どのように表現したらきちんと相対した関係や交流が結べるかが問題です。また、人それぞれ自分なりの表現でOKということを学び、それまでより積極的になれた、とも言います。

そのように「表現」そのものに関心が向かってからは、日本演劇教育連盟に入り、東京で開かれる研究会や講座に積極的に参加しては「演技」や「劇あそび」などを体験し、自分のものにしてきました。また、地元の劇団の公演をはじめ、仙台での舞台には足繁く通い、演劇のおもしろさを享受してきました。

そうして、みずから台本を作っては英語教室の発表会で英語劇を上演。これまでに『メリーポピンズ 日本編』や『救え!ぼくらの地球−ジェリコキャッツのいんぼう』などのレパートリーがあります。観客の理解を助けるため一部に日本語を入れるなどの工夫もある舞台です。

また、アメリカの劇団「サンタモニカ・プレイハウス」を地元に招いて公演を実現したこともあります。

これからは、みずから遠くへ出かけて学んだり楽しんだりするだけでなく、地元に講師を迎えて演劇教育や表現活動のセミナーを開きたいと考えています。

組織に依らず、年月をかけて地道に着実に、志を具体的な形にし、周囲の信頼を集めてきている太田さん。その姿勢は、“Still waters run deep." と思えるのです。



(文・日本演劇教育連盟・市橋久生)2004/7/5