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舞台で育つ、子どものこころ〜武内裕子さん〜
「新潟歌舞伎みなと座」という、めずらしい市民歌舞伎一座がつくられたのは1999年のことです。新潟市民芸術文化会館「りゅーとぴあ」の開館プレ事業として行われた「舞台創造ワークショップ」に参加した市民が中心になって、2000年1月に旗揚げ公演に漕ぎ着けました(「伽羅先代萩」後日談『老後の政岡』)。 以来、時代物、廓物、武家物などいろいろな演目に挑戦し、今年の2月には、5回目の公演として世話物『新版歌祭文 野崎村』(通称「お染久松」)を成功させました。歌舞伎界からプロの協力を得ながら、新潟にも歌舞伎のおもしろさをと精進を続けています。 また、この秋・9月からは「おもしろ!歌舞伎体験子ども教室」を25回にわたって開催します。子どもたちが伝統芸術を体験する機会として今春3月に初めて実施したもので、その2回目となりますす。発表会(上演)も予定していますが、一味も二味もちがう演劇に子どもたちはおおいに興味を示すようです。 この市民歌舞伎を推進する中心が、みなと座代表の武内裕子(たけうち・ゆうこ)さんです。それまで長い間、子ども劇場おやこ劇場で、やはり中心的な役割を果たしてきました。 さて、武内さんの今のもう一つの活動の場は、理事長を務めるNPO法人「キッズ・ユニファー」です。これは、子どもを主とした市民参加の演劇制作に関わる活動です。 「私は『演劇は人間を育てる』ことをこの目で見てきた証人」と語る武内さんは、子どもたちに、劇は観ることとともに、みずから演じることの意義やおもしろさを味わわせてやりたいと考えています。 現在、見附市で展開している「みつけ演劇セミナー」は、1998年春、市中央公民館の文化事業として発足したもので、その後毎年4月に子どもたちが演じる舞台を創っています。今年の第5回公演『雨上がりのおくりもの』は、キッズ・ユニファーの貴山養一さん作、武内演出の創作劇。子どもたちに得体の知れないこわいものと噂されるマジョールに「会ってみたい」と言い出し、からかわれる少女あかねの心の成長を描いたもの。 小学1年生から高校2年生までの21人とおとな4人が舞台に立ちましたが、近隣の長岡市から親子3人で出演する家族もいました。また、なかには自閉症やADHD(注意欠陥多動性障害)などハンディのある子もいます。親たちにも、得意な分野で無理のないように楽しく関わってもらおうと、大道具や衣裳製作など、裏方で協力してもらっています。子どもたちは、親や地域のおとなたちに支えられていることを感じながら、稽古に励んでいます。 「子どもは心がひらかれないと体も解放されない」ということを実感しながら武内さんは子どもたちと接しています。演技に行き詰まっている時には「こういう時ってどんな気持ちになる?」と、子どもの心をほぐします。「役を演じるというより役を通じて自分を表現する」ことをたいせつにしたいと考えています。 見附市に限らず、各地で学校外の演劇活動がずいぶん見られるようになってきました。企画や指導をするおとなには、広い視野と子どもへの信頼が欠かせません。ある保護者の感想が新聞に載っています。 「学校へは行きしぶるときもあるけど、演劇セミナーへは喜々として出掛ける」(五十嵐佐一/新潟日報/5月4日)。 武内さんはそんな指導者の一人です。 新潟歌舞伎みなと座&NPO法人キッズ・ユニファー 連絡先 電話 025−269−5959 FAX 025−269−1077 MAIL Kids-uni@lapis.plala.or.jp |
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(文・日本演劇教育連盟・市橋久生)2004/9/6
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