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「文化・芸術は平和のためにこそ」生涯をかける〜畑野稔さん〜
愛媛県文化協会の理事・畑野稔(はたの・みのる)さん。もともとは教員で高校演劇の指導者の畑野さんですが、今やその枠には到底納まらない多くの顔をもっています。 この1年間をとってみても、高校演劇の指導、劇団こじか座の活動、子ども演劇ワークショップの実施、「人権啓発劇」への協力などの演劇活動のほか、憲法や平和に関わる、実にさまざまな場で活躍されているのです。 高校演劇では、勤務する学校が四国地区大会で2位になり、四国代表として春期全国高校演劇フェスティバルに出場、去る3月29日に東京・劇団四季自由劇場で上演しました。 一昨年度は、夏の全国高校演劇大会の審査員・講師を務めていますが、孫のような年齢の高校生たちの部活動にも目を配っているのです。 劇団こじか座は、来年創立50年を迎えるという、全国でもめずらしい、子どもが参加する地域劇団です。子どもたちが、学校とは別に地域で演劇にふれられるようにと創られたものですが、現在は小学3年生から、最高齢は79歳まで、文字どおり老若男女が一緒に活動しています。 毎年、本公演と呼ぶ松山市民会館ホールでの公演、劇団創作の民話劇をもって児童福祉施設や老人ホームなどを訪ねる巡回公演を行っていますが、この1年でも5か所で上演し、大勢の子どもやお年寄りに楽しんでもらいました。 子ども演劇ワークショップは、宇和島親子劇場ほかの主催で「遊びで考えるからだ・こころ・ことば」というテーマのもと、約50人の子どもと父母が参加して実施されました。また、松山市でも同じようなものが実施されています。 松山市が力を入れている「人権啓発劇」の活動は、市内の各小・中学校で創られた脚本を尊重しながら、ややもすれば道徳的なお説教になりがちなものを、ドラマとしてのおもしろさを子どもたちが体験できるように、演劇教育の視点からアドバイスを送る指導者として各校を廻っています。 畑野さんは現在、冒頭の愛媛県文化協会や松山市文化協会の理事など、公的な任務として舞台芸術全般に責任をもつ立場にあり、その振興に務めています。オペラに関心を寄せる知事のもと実施された県民オペラの実行委員としても東奔西走しています。 愛媛演劇集団協議会や「松山の文化をはぐくむ会」の会長も長年務めています。加えて、昨年から今年にかけては、憲法や平和の問題がクローズアップされていますが、その方面でも「憲法九条を守る愛媛県民の会」代表幹事、「松山市に平和資料館をつくる市民の会」会長など、7つの会のリーダーを務めるなど本当に精力的です。 このようにバイタリティあふれる畑野さんの活動ですが、その原点は「敗戦」にありました。戦後、予科練から戻って人間観が 180度の転換をしたのです。 今の高校1年生に当たる年の頃だったでしょうか。古代ギリシャの美のように、美しいものは一貫して美しい、そんな美へのあこがれや目覚めが芸術に結びついたと言うのです。そして、総合芸術としての演劇に……。 旧制師範学校から新制大学の教育学部へ進んだ畑野さんにとって、教育とは、子どもたちが文化・芸術に親しみ、平和を築くための営みそのものなのです。「平和のための教育」「平和のための芸術」に生きる人の真骨頂を見る思いです。 |
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(文・日本演劇教育連盟・市橋久生)2005/5/2
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