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今月のテーマ
   私が観劇した戦争ものがたり


「演劇タイムズ」はそれぞれのメルマガスタンドから、演劇ファン、劇団関係者、フリーの俳優、プロデューサー、公共ホールの事業担当者、演劇鑑賞団体の方々など、800名以上の方々にご愛読いただいております。

皆さんと一緒に、一つのテーマについて、それぞれの立場から自由なご意見をいただくこのコーナー。今回のテーマは「私が観劇した戦争ものがたり」です。さてさて、どんなご意見が届いているのでしょうか?

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まずは、匿名希望さん(男性・70歳)のこんなご意見――――。

15の年から演劇に魅せられて55年の歳月をかさねた。記憶に残る舞台も幾つかある中で、今に忘れず思い出すと胸がふるえるのが『真空地帯』である。たしか1955年ごろ、場所は東京内幸町の飛行館、演じたのは青年座、役者は木村功、岡田英次らだった。

世の中は朝鮮戦争の余熱がさめやらず、太平洋戦争の記憶もなまなましく残る時代。もう戦後ではないという掛け声もあちこちから聞こえてきていたが、戦争中に学童疎開を経験し、戦後は焼け跡のバラックでひもじい腹を抱えてラジオの「鐘の鳴る丘」に涙した世代が、思春期にはじめて出遭った本格的な芝居、そして魂を揺さぶるストーリーであった。いらい、すっかり舞台芸術の虜になって、70歳の今日にいたっている―――。

「真空地帯」は、日本軍隊生活を初めて本格的に描いた長編小説(『眞空地帯』作:野間宏)で、毎日出版文化賞を獲得したものです。舞台に関する情報はなかなか見つからないのですが、匿名希望さんの心をがっちりと掴んだように、映画になって今も愛され続けている作品です。ビデオ・DVD情報は下記アドレスからどうぞ。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD23593/

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次に、匿名希望さんからの、こんなご意見――――。

北九州芸術劇場で「大砲の家」に出会ったのは、2003年11月の事である。

戦争で引き裂かれる男女、戦場の凄惨な光景、兵器の非情さといった、戦闘(戦争、ではなく)による人の死や別れといった事が、「戦争を題材にした芝居」の主な姿であろう。言い切ってしまえば、戦争によるグロい一面ばかりクローズアップしたものが主、と言える。

しかし本作では、「どのように戦争が勃発するのか」という過程に着眼点がおかれている。それは国家間のイサカイや利権の確保といった、我々の日常から遊離した政治サスペンスではない。故郷への愛着、家族への愛情・友人達への信頼や仕事への誇り、人種の別なく差し伸べる親切心といった、それだけなら誰も反対しないであろう「アタリマエな事」なのである。

「今日よりも明日が良い1日でありますように」と願う庶民のささやかな夢…そのような薄い皮膜が1枚、そして1枚と積み重なっていく過程が描かれ、それが臨界点に達した時に「ドン」と火薬に火が点き戦争が起きるのだ。

「軍隊があるから」ではなく「他国にナメられたから」でもない、われわれ日常生活の延長線上に戦争があるのだという事を、この芝居は描いている。誰にも責任は押しつけないし、解決方なんてもちろん示されない。しかし芝居の中では、戦後にイケニエを捧げる姿がやりきれない。

「大砲の家」は、北九州芸術劇場プロデュース第1弾として発表された作品で、北九州を代表する劇団「飛ぶ劇場」の泊篤志さんが脚本を担当し、「南河内万歳一座」の内藤裕敬さんが演出をしました。

多くの劇団から人が集まり、若い力で作り上げた戦争ものがたりです。どうしても、戦争を題材にした作品というと昔のものを思い浮かべます。実際に、若い劇団で戦争のものがたりに取り組んでいるところも少ないでしょう。そんな中で、こういった若い人たちで戦争を考える機会を作るというのは、今後もっと大切になってくるのではないでしょうか。

http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/about/about03_produceH15.html
http://www2.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/taihou/

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そして、匿名希望さん(女性)からのこちらのご意見も。

戦争に関する演劇作品は沢山観ていますが、自分が自分の友人に勧めるならこまつ座の「父と暮せば」です。出会ったのは2004年の夏。初演は1994年で今年(2005年夏)で11演目です。

広島に落とされた原子爆弾について、自分がいかに無知だったかを思い知らされました。また、被爆して生き残った人々が「自分が生きていることが申し訳ない」と思っていたことが、悲しくてなりませんでした。

こまつ座では、戦後60年ということで今年の6月に再演をしていらっしゃいました。昨年の7月には、宮沢りえさん主演で映画にもなっていて記憶に新しいのではないでしょうか。本当に胸の詰まる作品ですよね。

http://www.komatsuza.co.jp/kouen_kako/chirashi/titito_06.html

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他にも、三谷幸喜さんの「笑の大学」や、こまつ座の「紙屋町さくらホテル」、舞台版「ビルマの竪琴」、今井雅之さんの「THE WINDS OF GOD」などなど、たくさんのご意見をいただきました。ありがとうございました!!

今の日本には、戦争を体験した人は少なくなっています。戦後60年ということで、テレビでもたくさんの特集が組まれていますが、直接戦時中の話を聞く機会は激減し、海外でのさまざまな出来事もブラウン管の向こうの出来事でしかなく、心の底から戦争や平和について考える力が薄れてしまっているようにも思います。

だからこそ、直接心に訴えかけることのできる演劇作品が、これからもっともっと必要になってくるのではないでしょうか。

さて、次回の募集テーマはこちら……

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    演劇鑑賞会の思い出
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学校では2学期が始まり、文化の秋に向けて様々なイベントがあります。その一つが「演劇鑑賞会」。ほとんどの方が、小学校の演劇鑑賞会が演劇初体験なのではないでしょうか。その時の思い出が、演劇を好きにさせることもあり、嫌いにさせることもあり…。本当に様々だと思います。

そこで、今回は演劇鑑賞会のいろいろな思い出を募集します。「この劇団のこんなお芝居を観て、役者に憧れた!」、「こんな作品を観て、演劇が嫌いになった」、または「こんな鑑賞会だったら素敵なのに!」という希望もOKです。

皆さんの演劇鑑賞会にまつわる、いろいろなご意見をお待ちしています!


ご意見はこちらまで――――――――
   goiken@drama-edu.net
    ・ 締切は9月7日(水)です。
    ・ 特定の個人・団体を誹謗・中傷するご意見は掲載不可です。
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どしどし、ご意見をお送りくださいね。お待ちしてます!

※こちらのテーマは締め切りました。
 たくさんのご意見、ありがとうございました。
 ご意見、ご感想などがあれば、メールフォームよりどしどしお寄せ下さい!
 お待ちしております!



(構成/文・O)2005/8/8