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今月のテーマ
   独断と偏見で選ぶ、今年観た作品のベストワン!


皆さんと一緒に、一つのテーマについて、それぞれの立場から自由なご意見をいただくこのコーナー。今回のテーマは「独断と偏見で選ぶ、今年観た作品のベストワン!」です。さてさて、どんなご意見が届いているのでしょうか?

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まずは、とっても素敵な舞台に出逢ったというH.N.サルコさん(女性・24歳)からの、こんなご意見――――。

私が今年観た中で一番思い出に残った作品は、春に上演された唐組の『鉛の兵隊』です。

唐十郎の芝居に破天荒で下品な芝居という偏見を持っていた私は、実際にはあまり気乗りしないままテントへ足を踏み入れました。

幻想を紡ぎ合わせたようなとにかくわかりづらい話でしたが、台詞の面白さとオーバーな役者の動きがおかしくて、思わず吹き出してしまうほどでした。そして時折死臭を漂わせる台詞が差し込まれ、笑っているとふっと暗部に連れて行かれるような揺さぶりをかけられて、ぐいぐい話しに引き込まれていきます。

桟敷から見る舞台はとても近くて、水はかかるし汗唾も飛んで来るし、役者が飛び跳ねるたびに地響きが伝わってくるほど。常連客からの掛け声はまるで歌舞伎のようで、そんな観客の声援を受けて役者もさらに熱くなって…舞台と客席が一体となった芝居とは、まさにこのこと!と思わせるぐらい、テント内は熱気に包まれていました。

この作品は私にとって、唐組との出会いでもあり、演劇の違った面白さを知るきっかけにもなったので、今年の一番の作品に選びたいと思います。

頂いたメールからも、サルコさんの興奮が伝わってきそうですね。
新しい舞台との出会いは、本当に刺激になるし、世界が一気に広がって、次への楽しみがぐんと大きくなりますよね。来年も、もっともっとたくさんの出会いがあるといいですね。

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次に、とても元気付けられたと言うH.N.かえでさん(女性・36歳)からのこんなご意見――――。

井上ひさし作「箱根強羅ホテル」でしょうか。

最初は内容は期待していなくて(笑)、単に、ファンの内野聖陽さんが出演されていたので観に行ったのですが、内容や役者さん達のボケた演技がおもしろいし、意外な大どんでん返しがあったりで、時を忘れて大笑いしました。

実はその頃体調が良くなくて、けっこうつらい毎日だったんですが、この時はそんなことはすっかり忘れることができて実に有意義な時間を過ごさせてもらいました。大笑いしたのは久しぶりだったのではないかと思います。そういう意味でも、上記作品が「今年観た作品のベストワン」です。

舞台には、沈んだ心や疲れた身体を癒してくれる力があるんですよね。舞台と客席との一体感や、別世界に連れて行かれるような心地よさがあるからでしょうか。テレビでは決して得られない、人を元気付けるパワーがあるんですよね。

そして、そうやってお客さんに元気を与えることが演劇人の大切な仕事だったりもします。かえでさんのように元気になってくれる人を1人でも多く増やせるように、演劇人にももっともっと頑張ってもらいたいですね。

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最後に、目から鱗だったという、H.N.KAZさん(俳優・36歳)からのこんなご意見――――。

私が今年観た芝居でのベストワンは、数ヶ月前に観た赤塚真人氏主催劇団TA2の「息娘の帰還」でした。ベテラン役者の赤塚真人氏の芝居は目から鱗の演技でした。久々に目を見張ってしまいました。

「魅せる演技」でした。見習わなければなりません。昨今の役者に無いドラマ性、お客をしっかり引っ張っていく演技、役に対する誠実さ、愛情などなど。脚本も赤塚氏によるものでしたが、かなりしっかりした脚本。

残念だったことは、観客へのリップサービスなのか、エンターテイメント性を持たせており、歌と踊りが盛り込まれていたこと。正直、ここまでストーリーが面白ければ、そんなのはいらなかった。

うまい役者の芝居は本当に勉強になります。しかし、その「うまい役者」が今は何と少ないことか。これが、私の本年のベストワンです。
      

同感ですねぇ。そして、“うまい役者”もさることながら、“誠実な役者”も少ないように思います。役に対して、共演者に対して、脚本に対して、そして何よりお客様に対して誠実である役者さんが少ないように思うんです。

この誠実さがあれば、お客さんをしっかりと引っ張って物語の中へ導いていき、感動や元気を与えることが出来るのではないでしょうか。そんな役者さんが、来年はたくさん輩出されると嬉しいですよね。

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他にも、有名な劇団から地域で頑張っている小劇団、人形劇団などなど、いろんなご意見をいただきました。ありがとうございます。どうか、来年も素敵な舞台に出会えますように!

さて、長らくご愛読いただいた「アナタのご意見!ワタシのご意見!」ですが、今月でひとまずお休み。これまでご意見をお寄せいただいたたくさんの皆様、本当にどうもありがとうございます。感謝、感謝です。再びパワーアップしてお会いできる日を待ってて下さいね!

もちろん、新コーナーもお楽しみに!!



(構成/文・O)2005/12/12