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カミクダキ文化芸術振興基本法−2−
2001年12月7日に施行された文化芸術振興基本法を、誰にでもわかるように、単純&簡単にかみくだいて読みといてゆくこのシリーズ。前回(No.22 5/13発行)では、「これから文化芸術を発展させていくぞー」とうたった前文と、「その為に、こういう事を基本にするぞー」とうたった第1章をご紹介しました。 第2回目の今日は、文化芸術振興のための基本的な方針が書かれている第2章と、どのようにして実現しようとしているのかという施策について書かれた第3章をご紹介しましょう。 第2章「基本方針」は、実にカンタン。要約すると…… 「文部科学大臣が、文化審議会の意見をちゃんと聴いて、基本方針案を作って、出来たらすぐに公表しなさい」 これだけです。 あまりに簡単すぎるのでは?というご指摘もごもっとも。しかし、あくまでも「これから」ですから。ちなみに、今、様々な文化芸術団体が、国のお偉方だけでヘンテコな方針案を決めてしまわないように、現場の声を一生懸命に送っています。是非皆さんも、現状への不満、改善してほしい点、その他の要望等々をぶつけてみてはいかがでしょうか。 次に、第3章「文化芸術の振興に関する基本的施策」を見てみましょう。この章は、第8条から第35条まで、28項目にも分かれています。これを見ただけでもゾッとして読む気が失せてしまいそうですが、よくよく見ると、これもまた簡単な内容です。 まず、第8条から第15条を、ざっくばらんにまとめてみると…… 「文化芸術の公演や展示をする時に、支援したり、国際交流を活発にしたり、文化財を大切にしたり、その他の振興に必要なことをしていきましょう」と言ってるのです。 なぜ、長くなってしまうかというと、「文化芸術」という意義について、「芸術」「メディア芸術」「伝統芸能」「芸能」「生活文化」「出版物」などなど、とても細かく分類しているからなのですが、言っていることはほぼ同じです。各々のジャンルによって、支援の形や活動の展開こそ違いますが、関わっている人々にとっては、ごく当たり前のことばかりなんですね。 注目すべきは、第16条・第17条。 「文化芸術に関わる全ての人々を養成して、さらには人材の確保や、研修への支援、研修成果発表の機会の確保、その他、大学等の教育研究機関の整備をします」 ここが一番大切でしょう。日本と海外との文化レベルを比較したとき、人材育成面での努力が、圧倒的に遅れています。芸術を発信する人が育たなければ、文化芸術うんぬんなんて絵空事ですから。今後、第16・17条への取り組みが、非常に期待されるところです。 第18条から第21条までは、かなり細かな内容になっていますが、簡単に言うと…… ・第18条 国語教育を充実させよう ・第19条 日本語教育を充実させよう 「言葉が乱れると、心も乱れる」と言われます。豊かな精神と優れた文化を築くために、次世代を担う子どもたちや外国人への言葉の教育に力を入れてゆくことで、ひいては文化芸術への理解へとつなげてゆきましょう、という意味です。 ・第20条 著作権を大切にしよう 意外と忘れがちですが、大切なことです。 最近、音楽CDやコンピューターソフトの海賊版の問題などで耳にする機会が多い著作権は、芸術家たちの財産です。著作権の侵害は、芸術家の経済的な圧迫につながって、モノを創作するエネルギーを削いでしまうのです。 そりゃそうですよね。アーティストが一生懸命作った歌が無料で使われてしまったら、アーティストはどこからお金をもらえばよいのでしょう?どうやって生活すればよいのでしょう? ・第21条 鑑賞の機会を充実させよう ここでは、公演や展示などを、ただ「観る」だけではなく、それにまつわる情報の提供など、文化芸術に触れる機会を全般的に充実させようと言っています。 第22条から第24条までをまとめると、次のようになります。 「文化芸術活動を充実させるための支援や必要な施策を講じよう」 何度も繰り返されているフレーズですが、ここでは「高齢者や障害者」「青少年」「学校教育」の3つに関して書かれています。これらの分野では、演劇に関わらず、どの文化芸術も「ボランティア」として捉えられがちですが、そこに携わる人々の多くは“プロ”です。プロがその技術を磨き、よりレベルの高い文化芸術を生み出し、提供するには、相応の支援が必要なんですね。 第25条から第28条は・・・・・・ 「ハード面を充実させよう」 ハード面とは、劇場や音楽堂、美術館、博物館、図書館や、その他の活動できる場所のことです。地域によっては、演劇の公演をする場所がなかったり、遠くへ行かなければ美術館がなかったりと、ハード面の条件が整っていないところはたくさんあります。 また、施設はあっても、それを使いこなしたり、管理したりできる芸術家を配置することができず、宝の持ち腐れになっているところも少なくありません。これらの問題を解決し、活性化していくための支援をしていこうというのです。 第29条・第30条は、情報に関することをうたっています。 「情報通信技術を活用して、ネットワークの構築、文化芸術作品の記録や公開、情報提供やその他の必要な施策を行う」 インターネットが普及し情報化社会が進んでいる中で、文化芸術に関しては、まだまだアナログな状態が続いています。そのため、多くの情報は個人や地域レベルでの小さなコミュニティーの中に埋もれ、一般の人の目に届かないことが多いのが現状です。これらの情報を集め、公開していくことは、文化芸術を広く国民に知ってもらい、活性化していくのに大いに役立つことでしょう。 今、美術館などでも、通信技術を活用した展示への支援や、作品の記録というところまで手を伸ばしていこうとしているようです。 さあ、もう少しですよ。 ・第31条 民間の支援活動を活性化しよう 今までも、個人や企業が文化芸術活動へ寄付をした場合、寄付者が納めるべき税金が安くなるという制度がありました。それ以外にも、文化芸術団体が寄付を受けやすいような税制上の措置をしていこうというものです。 寄付を受けた芸術家は、自分たちの活動に責任が生まれますし、寄付した側は、文化芸術への関心が高まります。お互いの相乗効果が見込める、とても大切な施策となるはずです。 第32条から第35条までは、この章のまとめになります。 第32条 国だけでなく、各関係機関が連携をとって、皆で盛り上げていこう 第33条 文化活動で成果を納めた人を顕彰しよう 第34条 国民の意見をきいて政策をすすめよう 第35条 地方公共団体も、地域の特性を活かして頑張ろう どれも分かりやすく、簡単な内容ですね。 最後に「附則」として、この法律が、公布の日から施行されることと、「文化芸術が人間に多くの恵沢をもたらすので、もっと活発になるように、この法律案を提出しました」という理由が書かれています。 いかがでしたか?2回に渡ってお送りしてきた「カミクダキ文化芸術振興基本法」。読んでみると、とても当たり前の、けれどもとても大切なことばかりでした。 ただし、今の時点では、基本的な理念ばかりで、具体的な施策はほとんど決まっていません。繰り返しますが、この法律は「これから」のものなんです。 今、各地の文化芸術団体が活発に動き出しています。文化後進国と言われる日本ですが、かつては各地でたくさんのお祭りがあり、その中でたくさんの文化が育まれてきました。 民話や昔話、文学、歌舞伎、浄瑠璃、舞踊、茶道、華道などなど、世界に誇れる文化をたくさん生み出してきた日本人は、もともとは想像力豊かな国民だったのです。心にゆとりをもって、今こそ文化の華を咲かせましょう! でも、多くの方々は「文化芸術振興基本法」の存在すら知らない方々が多いんですよね……。サッカーだけじゃなく、芸術分野でも、がんばれニッポン! |
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(文・K)2002/06/10
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