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チケット販売の方法 part.1〜チケット販売の歴史 前編〜

今、年間でどのくらいの数の文化芸術公演が行われているか、ご存知だろうか?

「文化イベントデータファイル年鑑」によると、1996年に首都圏で行われた演劇公演は2万2646ステージ。また、全国公立文化施設協会によると、95年にはクラシック音楽を中心に、全ジャンルで年間1万3450ステージの自主事業が行われたとなっている。

しかし、興行を行う際に問題の1つとあげられるのが、集客。つまり“チケット販売”だ。どの団体、公立ホールにとっても、「どのように多くの観客を動員するか」が、最大の問題となっているのである。

今回は、インターネットでのチケット販売が定着しつつある現在までの歴史をたどりながら、“チケット販売の方法”を探ってみたい。


●チケット販売の起源は大阪!?

まず、チケット販売そのもののツールを探ってみよう。

なんと大阪梅田の地下鉄切符売り場で、回数券をバラ売りしていた女性がチケット販売のルーツと言われている。当時は自動販売機が無い時代。売り場が混雑している時、並ばずに切符が買えるために繁盛したと言われている。なんとも大阪らしい可笑しなエピソードである。

その後、チケット販売事業はその他の大都市圏に広がり、現在、チケット販売を主たる営業目的としているのは全国で1724社。主なプレイガイドとして挙げられるのは、@ぴあ、e+(イープラス)、CNプレイガイド、ローソンチケット・ドットコムの4社だ。


●「プレイ・ガイド」はもともと登録商標

映画・演劇・コンサートなどチケットの発売や案内をする「プレイ・ガイド」。これは英語のPLAY(演劇)とGUIDE(案内)を組み合わせたもので、いわゆる和製英語。英米人にプレイ・ガイドといっても通じないのでご注意を。

もともと、東京・銀座に「プレイ・ガイド」という催しもののチケットを販売する会社が、昭和8年(1933年)頃、社名登録したのが始まり。のちにプレイ・ガイドと名乗るチケット販売所があちこちにでき、もともと社名だったプレイ・ガイドはいつのまにか普通の名詞になってしまったのだ。

ちなみにプレイ・ガイドのことを英語で言うと……

・ アメリカ英語…ticket office(チケット・オフィス)
         ticket service(チケット・サービス)
・ イギリス英語…booking agency(ブッキング・エージェンシー)
         booking office(ブッキング・オフィス)
ぜひ、海外に出かけた際のご参考にどうぞ。

当時のチケット販売方法は、手売りがほとんどであり、プレイガイドの需要はあまりなかった。60年代末から圧倒的な人気を誇っていた唐十郎や寺山修治らによる小劇場演劇でも、チラシや口コミなどごく限られた伝達手段によって告知されるにとどまっていたのである。

しかし、時代は変わり、70年代初頭にイベント情報誌としての“月刊ぴあ”と“シティー・ロード”が登場した。この2冊は、“ぴあ派”か“シティー・ロード派”かと、若者の間で話題になるほど、お互いにライバル誌として業界に君臨し、読者もレアなイベント情報を求めて、この2冊を読みあさった。

また、70年代に入って小劇場演劇界も安定路線を志向し始めると、コンスタントな情報提供の場が望まれるようになり、プレイガイドによるチケット販売が注目されるようになった。

このような時代の背景を受けながら、プレイガイドの需要が高まってゆく中、80年代初頭、チケット販売の“IT化”を起こした劇団四季の登場によって“ぴあ”と“シティー・ロード”の明暗が分かれることになる。

次回は、「チケットを入手したくてもなかなか取れない」などの問題点を含みながら、70年後半から80年代、IT時代の流れによるチケット販売の発展をご紹介していきます。



(文・M)2003/1/13