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スタニスラフスキー・システム vol.7 〜テンポとリズム
いよいよ、スタニスラフスキー・システムの終盤になってきました。今回は、テンポとリズムについてみてみましょう。 テンポやリズムというと、音楽が一番に連想されますが、日常生活の中にもテンポやリズムは存在します。2人以上で何らかの作業をする際には、たとえ無意識であっても共通のテンポやリズムが生まれてきて、それを保つことで仕事を効率的に進めることができるわけです。最近ではあまり聞きませんが、仕事うたや船頭歌などを思い出してもらうと分かりやすいと思います。 お芝居を作り上げてゆく上でも、やはりテンポとリズムは大切になってきます。ひとつのシーンを演じている俳優たちが、まったくバラバラのリズムで動いていては、シーン全体を取り巻く空気や状況を描ききれなくなるばかりか、観客もどこを見ていいのか分からなくなります。 大勢の群集が戦うシーンで、すごく早いテンポで動いている人もいれば、すごくゆったりとしたテンポで動いている人もいる。そうなると、いったい何を表現したい場面なのか分からなくなりますよね。 そこでスタニスラフスキーが学習課題としてあげたのが、下記のものです。 1、外側のテンポーリズム 2、外側のテンポーリズムが精神面に与える影響 3、内側のテンポーリズム 4、精神状態が外側のテンポーリズムに与える影響 5、矛盾する内側と外側のテンポーリズム 6、さまざまなテンポーリズム これらの課題の中で、普段の自分の行動がどんなテンポやリズムを持っているのか、また、その速さを故意に変えることで、精神面にどんな影響が現れるかを確認してゆきます。 たとえば、「本を読む」という単純な行動を切り分けて、テンポを作ってみます。本を手に取る、本を開く、ページをめくる、読む、読むのを止める、物音を聞く、窓際へ歩いてゆく、窓をこつこつたたく、窓から戻る。これらの一連の動きを、テンポを変えながらやってみます。 遅いテンポと早いテンポではどんな気持ちになるか、じっくり感じてみましょう。 また、「服を着る」という単純な行動を、「恋人に会うため」「お葬式に参列するため」「歯医者に行くため」など、いろいろなシチュエーションで試してみます。同じ「服を着る」という動作にどんなテンポやリズムの違いが出てくるでしょうか。呼吸の速度や、脈拍の違い、体温の違いなど、いろいろな変化が現れてくることと思います。 こうやっていろいろと試してみると、普段の何気ない行動にもいろいろなテンポやリズムがあることが分かりますよね。そして、これらは必ずしも一定ではないし、単一的でもありません。時には、内面はすごくハラハラドキドキとしているのに、それを悟られないように全く違ったリズムを表面的には刻むこともあります。ここに、人間の葛藤やドラマが見えてくるわけなんです。 そして、このテンポとリズムを基盤にして、台詞の表現方法を作り上げてゆくわけですが、それは次回のお話です。まずはじっくり、ご自分の普段のリズムを感じて、人と比べてみてください。結構、人の性格が見えてきて面白いですよ。 参考文献:演技ー創造の実際ー ジーン・ベネディー著 晩成書房出版 参考サイト:TRAINER LABO http://trainer-labo.com/index.html |
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(文・O)2006/8/14
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