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メソッドってどんなの?!
 
 
リーストラスバーグ〜リラックスすることで変わる演技

リー・ストラスバーグと言えば、ハリウッドのアクターズ・スタジオ。アクター ズ・スタジオと言えば、リー・ストラスバーグのメソッド。どちらもしっかりと 結びついて思い出されますよね。アメリカのメソッドと言えば、ストラスバーグ の俳優訓練とほぼ同意語でしょう。それほど、彼は大きな功績を残しています。

ストラスバーグはグループ・シアターの創立メンバーでしたが、1937年にグルー プから離れ、教師、演出家として活動を続けていました。そして、その力を買ったのがアクターズ・スタジオです。1947年にアクターズ・スタジオの校長とな り、様々な演技へのアプローチ方法を見つけ出してゆきました。彼の出したアプ ローチ方法の中で重要とされているのが、「リラックス」「集中」「情緒的記 憶」の3点です。

今でも、「演技にはリラックスすることが重要」と語られることが多くあります。それを明確な理論にしたのが、ストラスバーグであるといえます。

今日は、彼がどんな理論でリラックスの大切さを語ったのか、少しだけのぞいて みましょう―――。

●リラックスとは?

ストラスバーグの俳優訓練授業は、全てリラックスすることから始められました。体や心の緊張は、演技に不必要なエネルギーだと考えたのです。そもそも、俳優が舞台に立って演技をする場合、いやがおうでも緊張してしまい す。けれども、体が緊張していると、思い通りの動きができません。俳優を楽器としてとらえたとき、緊張している俳優は楽譜どおりの音楽を弾くことができず に、雑音ばかりを発してしまうため、こうした邪魔な「緊張」を取り除く必要が あるということです。

ストラスバーグは、ある俳優にシェイクスピア劇の一節を演じさせました。が、その俳優のセリフはとても機械的なものでした。

その後、適当にリラックスさせた後に同じ芝居を演じさせると、その俳優は急に 生き生きと演じ始めました。ストラスバーグは、こうした経験は幾度もあると語っています。けれども、ただ単に「リラックスしよう」と語りかけても、それは 意味を成しません。リラックスを実現するための手立てを、ストラスバーグは考えました。

まずは、俳優を椅子に座らせます。そこで、ねむりこむくらいにやすらげる状態 になるように指示をします。すると俳優は、椅子の構造や体の構造を考えながら、一番安らげる姿勢を作り出します。こうして、「気分的にリラックスするこ とを目指す」というあいまいなものではなく、「リラックスするための体の状態 を作る」ことにいどんだのです。
次に、椅子に座っている俳優の体の各部分の緊張状態をチェックします。筋肉の緊張をとるのです。ただし、ストラスバーグはこういいます。

「身体的リラックスは、達成が比較的容易である。心理的リラックスのほうが、 はるかにむずかしい」心の緊張も、体にあらわれます。1つ目はこめかみの静脈。2つ目は両目の鼻 筋。3つ目は、鼻の両脇の筋肉。4つ目は、うなじ。これら、体の一部分の緊張 状態をチェックすることで、心が緊張しているかどうかを見極めました。さら に、これらの部分のコリなどをほぐすことで、リラックスした心の状態を作り出 そうとしました。

一度でも、俳優経験のある人なら、「なるほど」と思える方法でしょう。もちろん、リラックスした状態を作ることは、その後の演技を導くための“序章”にす ぎません。続きについては、次の機会に―――。

参考文献:二十世紀俳優トレーニング(アリソン・ホッジ編著 佐藤正紀ほか訳 而立書房)


(文・O)2007/01/15