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劇場費っておいくら?
世界のトップスターが出演して、ものすごいCGが使われている映画だって、1800円で簡単に観れちゃう。けれども演劇は、無名の劇団の公演でも2000円以上、有名人が出てるだけで1万円を超える料金だってあるんです。んー、こりゃ、高い! ……でも。一度きりのお芝居は、その瞬間のためだけに、いろんな人が動いて、いろんなところにお金がかかっていたりするんです。そんな演劇のお値段の構造をいろんな切り口から“解剖”するのがこのコーナー!今日のテーマは、「劇場費」です。 ●高い?安い?「劇場費」のお値段 芝居を上演するとき、劇場選びはとっても重要です。お客さまにとってアクセスが良いことはもちろん、キャパシティや舞台の大きさ、空間の雰囲気、場所の知名度(例えば下北沢とか)、ネームバリュー(例えば本多劇場とか)など、劇団の規模やイメージ、予算などを考えながら劇場を選びます。「劇場選びの失敗は公演の失敗に直結する」といわれるほど、どの劇場を選ぶかは大きな問題なんです。 劇場を予約する場合、たいていは6ヶ月〜1年前から予約しなければいけません。もし、人気のある劇場であれば、2年後のスケジュールが埋まっているなんてこともあります。 1年も前となると、台本は勿論、キャストもスタッフも決まっていないことが多いでしょう。どれくらいの集客が見込めるかだって、手探り状態です。けれども、1年前にはキャパシティもステージ数もある程度決めなければなりません。大まかな構想を立て、自分の劇団の力量を測りながら慎重にプランを練ってゆきます。 ここでは、架空劇団「タイムズ」が、300人規模のホールで、水曜日に仕込み、本番は、木、金、土、日の4日間で、平日1ステージ、土日2ステージの合計6ステージを行う場合について考えてみましょう。 民間の劇場と公共ホールとでは、値段に違いがあります。値段が高いのは民間の劇場。劇場につきっきりで管理するスタッフさん(小屋付さん)の人件費はもちろん、アクセス良好な都会で、かなりの広いスペースを運営しているわけですから、相当の家賃がかかります。しかも、その中からさらに利益を上げなければいけないわけですから当然です。 ほとんどのホールは、平日と土日祝日の利用料は違います。平日のほうが安く、土日祝日は2〜4割増になることが多いようです。公演を行う場合、お客様が足を運びやすいように日程を組みますから、当然週末の公演が中心。そうなると、この割増料金がかなり響くんです。 公共ホールの場合は、基本使用料が民間よりもグッと安く設定されています。ただし、有料公演の場合には入場料金の値段によって20%〜100%の増額があったり、劇団がホールを管理している区や市以外の団体である場合に20%以上の割増料金がかかったりすることもあります。さらには付帯設備(音響や照明で使用する機材設備)の使用料が加算されたり、楽屋の使用料が加算されたり、場合によっては電気の使用料も加算され、気がつくと民間の劇場なみのお値段になってしまうこともあります。 でも、民間の劇場では高くついてしまうような最新設備のある劇場も手軽に借りられたり、広々としたロビーや楽屋があったりと、公共ホールならではのメリットもいっぱいあるんですけどね。 ここで、劇団「タイムズ」が民間の劇場を借りようとした場合、一体、いくらくらいのお値段がかかるのでしょうか。 例えば、東京・千石にある老舗劇場「三百人劇場」の場合……。 キャパシティ:257席 平日(9:30〜21:30) 180,000円 土曜(9:30〜21:30) 200,000円 日祝(9:30〜21:30) 210,000円 ※消費税別、機材費込、4日以上利用のパック料金あり では、若者に人気の新宿・シアターサンモールの場合……。 キャパシティ:294席 平日(10:00〜22:00) 320,000円 土曜(10:00〜22:00) 380,000円 日祝(10:00〜22:00) 420,000円 ※消費税別、機材費一部別 キャパシティはあまり変わらないのに、値段はグッと変わりますね。 やっぱり、新宿というアクセスのよさとネームバリューが影響しているのでしょうか。 では、関西での相場は?お馴染みの「近鉄小劇場」の場合…… キャパシティ:420席 平日(9:00〜21:00) 200,000円 土日祝(9:00〜21:00) 240,000円 ※消費税別、機材費別 東京に比べるとちょっとだけ割安な感じがしますね。1日あたりの劇場費が1万円違えば、5日間借りて5万円。3万円違えば15万円も違います。これは結構な価格です。キャパシティを増やしたり、人気の劇場を選んだ分だけ、お客さんもたくさん入ってくれればいいのですが。 ちなみに、公共ホールでも値段はバラバラ。キャパ300席のホールをわずか3〜5万円で借りられるところもあれば、楽屋利用料・付帯設備込みで20万〜30万円くらいいってしまうところもあるようです。 ここで劇団「タイムズ」が三百人劇場を水曜日から日曜日までの5日間を予約した場合、劇場費はこのようになります。 平日18万円×3日 土曜20万円 日曜21万円 消費税5% ―――――― 99万7500円 この劇場費をチケット収入でまかなおうとした時、6ステージ全て満席で、99万7500円÷(257人×6ステ)≒ チケット1枚につき、およそ647円の収入が必要になってくるのです。 あら、意外と安いじゃない、と思われますか?けれども、これは劇場費だけをまかなうためのお金ですよ。 ちなみに、劇場費の支払いは、予約時に決められたパーセンテージ分を納入し、公演初日や千秋楽終了時に残金を納入する場合や、申込時に一括で納入する場合など様々です。それにしても、まだ遠い先の公演のために、劇団は多額のお金を用意しなければいけません。 もちろん、その他にももっともっといろんなところにお金がかかるのですが、それはまた次回のお話に。 ※三百人劇場の場合、本来、4日以上の使用で割引パック料金が適用されますが、文中では平均的な値段として、正規料金で計算しています。 ※参考サイト ●三百人劇場 http://www.bekkoame.ne.jp/~darts/pagej800.html ●シアターサンモール http://www1.ocn.ne.jp/~sunmall/ ●近鉄小劇場 http://www.kintetsu.co.jp/theatre/kasikan_index.html |
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(文・K)2003/10/13
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