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〜全国の演劇ワークショップ体験リポート〜



「町の中には謎がいっぱいあるんだ!」

アフタフ・バーバン まちあそびワークショップ
2003年12月21日(日) 日暮里・諏訪台ひろば館にて>


最近、外で遊ぶ子どもたちを見かけなることが少なくなったと思うことはありません か?わたしたちが子どもだったころは、近所のお寺や神社、学校の校庭や田んぼで暗 くなるまで遊んで怒られましたっけ。たまに、あの頃は楽しかったなどと感慨にふ けったりもします。そして、大人になった今でも、あの頃のように思いきり体を使っ て遊びたいと思うこともあります。
今回レポートにお邪魔するのは、そんな願い を叶えてくれる「まちあそびワークショップ」です。

ワークショップを主催する「あそび・劇・表現活動センター アフタフ・バーバン」 は、1984年に「日本演劇教育連盟 東京演劇と教育の会」より、「あそび・劇・ 表現活動研究会」として発足。

1997年に、元・児童館職員であった北島尚志さん を中心に「あそび・劇・表現活動センター アフタフ・バーバン」と改称・設立されて以後は、あそび心をくすぐる、年間100にも及ぶワークショップを全国で行って います。
  
                       
PM13:50

JR西日暮里駅から徒歩5分のところにある諏訪台ひろば館が今回のワークショップの会場です。この付近には、閑静な住宅街でありながら、神社やお寺もたくさん。急な坂や階段、路地もいっぱいあって、思わず探検したくなります……。そう、このワークでは、この町の中で思い切り遊んでしまおうというものなのです。

ひろば館の25畳ほどの和室では、すでに子どもたちが元気よく遊びまわっていました。今回の参加者は子どもから大人まで総勢28名。最年少は3歳で、小学生や20代の青年、さらには40、50代のお母さん層もいらっしゃって、年齢層はバラバラです。この場所で「まちあそびワークショップ」が行われるのは4回目。中には以前にも参加して、面白かったからまた参加したという方も!

「さぁ、はじめよう」とワークショップ隊長・山内さんの掛け声で、遊んでいた子供たちはパッと集まり、みんなで円を描くように座ると、好きな食べ物を1ついいながら自己紹介です。

PM14:20
自己紹介が終わると、今度はみんなで会場を縦横無尽に歩き出し、出会った人とジャンケン。3回勝った人から抜けてゆき、列を作ってゆきます。全員が列に加わると、今度はグー、チョキ、パーで3つに分かれて、3チーム対抗の「からだジャンケン」。

各チームごとになにをだすかを相談し、山内さんの「ジャンケンポン!」の掛け声と ともに、全員でさまざまなポーズをとりながら、グー、チョキ、パーを表現するな ど、いろんなじゃんけんゲームに、大人も子どもも熱中です。 


中でも一番ユニークだったのは、新聞紙の上のからだジャンケン。

山内さんから手渡 された新聞紙の上に、チームのみんながはみ出さないように乗り、山内さんとからだでジャンケンします。ジャンケンに負けてしまうと、そのチームの新聞紙は半分切り取られてしまい、しまいには、全員が小さな新聞の上でぎゅうぎゅう。

大人が子ども を抱きかかえながらジャンケンしたりと、四苦八苦する姿に、参加者は全員爆笑で す。
PM14:40

「じゃあ、みんな集まって!」

ゲーム遊びに熱中するうちにすっかり意気投合した参加者たち。さーて、ここからが 本番。参加者は4つのチームに分かれ、それぞれに数枚の写真が山内さんから手渡さ れます。見てみると、なにやら不思議なアングルで、写真の中には”謎”がいっぱい。

「この写真は、この会場の中にあるどこかの一部です。どこの部分の写真か、各チー ムごとに探検して発見してください」。

みんなで写真の角度を変えたり、きょろきょろと周りを眺めたりしながら、山内さん の説明に耳を傾けます。そして、「用意、スタート!」の合図とともに、会場の隅々 を探検する参加者たち。

何気ないものを思い切り切り取った写真だったり、窓の外から撮影された写真だったりと、その”謎”がどこであるのかを当てるのはなかなか難しい!「あ そこじゃない?ここじゃない?」と、子どもも大人も写真を片手に目を輝かせて、会場の中をうろうろ……。

このように、アフタフ・バーバンのまちあそびワークショップでは、身近なものを 違った角度から見たり、ふと見逃してしまうようなものの魅力を再発見させてくれます。

エクササイズには探検や冒険、謎といった要素を多く含み、見慣れた町すらも、 まるで遊園地のようなわくわくする遊びの空間に変身させてしまうのです。

答えを見つけたチームは、満面の笑顔で山内さんの周りに集まります。全チームが集まったところで、その写真がこの空間のどこの部分なのか、次々と謎を解明してゆきます。みんなは写真を食い入るように見ながら、「へぇ〜!」と驚きの連続!


PM15:00

いよいよ町に飛び出します。今度は、各チームに、日暮里の“謎”を撮影してくる任務が与えられます。子どもたちの「"謎"ってなに?」の問いに、「町の中にありながら不思議だなぁと思えるものならなんでもいいよ」と山内さん。「人も?」という子どもに、笑いながら「いいけど、あまり直視したらだめだよ」とアドバイス。

「写真を撮ったら必ず名前をつけてね、よし、行こう!」

参加者たちは、カメラを片手に町へ飛び出していきます。外に出てみると、なんとも謎の多いこと!道路の割れ目や草や木だって、角度を変えれば不思議なものに見えてきて、みんなおおはしゃぎ。「あの草、宇宙に見える!」、「あの木の枝、人の顔に見えない?」と、にぎやかにカメラを構えます。
             
        

PM15:30

各チームは会場に戻ってきて、それぞれの写真の命名会議。ユニークな名前がポンポンと飛び出し、白い模造紙に写真を貼り付けてゆきます。

今回、各チームから発表された謎の写真は全部で29枚。それ以外にも、実はもっともっとたくさんの謎が撮影されていたんですよ。

そして、謎の写真の発表会が始まります。


「宇宙の木」 「ザ!ミミズ」 「ザ!花火」 「のろいの木」 「どこでもドア」 「小人の家」 「さかの空間」 「侵入者」……

題名だけでも不思議なものばかり。肝心の写真も、“謎”がいっぱいで、とってもユニーク。各チームは、これらの写真を一つ一つ説明しながら、えっへんと鼻高々です。

PM15:55
たっぷり2時間のワークショップも、あっという間に終わりの時間。
参加者は山内さ んの周りに集まり、1人1人が「面白かった!」「もっとやりたい!」という感想を話 して、今日のところはこれにて終了です。


帰り支度をするみんなの表情は、充実感でいっぱいの様子。

今回、まちあそびワークショップの隊長を務めた山内たいらさんにお話を伺いました。

「町には、いろんな顔があるんです。普段は行かないけど、お寺や神社だって町に存在している。そういう場所や物を違った視点から見ることで、新しい発見が生まれる。その発見が何気ない日常生活を楽しくしてくれるんです。

だって、今日、写真を撮って回った場所って、これから一生忘れない思い出の場所になると思うんですよ
。これって、ものすごく素晴らしいことで、日常をゆたかにしてくれるでしょう。こういったことの積み重ねで自分の住む町を好きになってほしいと思っているんです。このようなワークショップであれば、無限の遊びが可能です。子どもも大人も関係なく思いっきり遊ぶことをHOW TOのようにレクチャーするのではなく、寄り添って一緒に遊んで行ければいいと思っています……」
そして、山内さんは最後にこういいました。
「子どもは、普段から遊びをみつける天才なんです。大人たちは、そんな子どもたち と一緒に参加してもらって、子どもたちから遊びの面白さを学んで欲しいですね。そ して、このワークショップを通して、自分の町をもっと好きになってほしいと思います」

アフタフ・バーバンでは、全国各地でこのようなワークショップを精力的に行っています。お近くの町に「まちあそびワークショップ」がやってきたときには、ぜひとも参加してみては?


詳細はアフタフ・バーバンのHPにてどうぞ!

あそび・劇・表現活動センターアフタフ・バーバン
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-30-7 吉祥寺ビューハイツ201
TEL&FAX  0422-23-1578
E-mail: af-b@zj8.so-net.ne.jp



隊長山内たいらさん


2004/01/

ワークショップ・レポートでは、今後も全国のさまざまなワークショップを取り上げてゆきます。ご意見ご感想、また「うちのワークショップも取り上げて!」「こんなワークショップを知りたい!」などのご要望がございましたら、こちらまで、どしどしお寄せくださ い。お待ちしています。