|
〜全国の演劇ワークショップ体験リポート〜 |
「ねばって……ねばって……最高の作品を!」 NEC×ACTION!〜子どもとつくる舞台シリーズ 「踊る!すがも地蔵通り!!」作品づくりのワークショップ/伊藤多恵(振付演出家) 2005年3月29日(月) にしすがも創造舎(旧朝日中学校)」 |
||||||||||||||||||||
10:00
遊びながら作品に仕上げていったとか。 ワークショップの会場となる体育館には、すでに明日の公演のための立派な舞台装置が立て込まれています。四方に立てられたのぼりには、お店屋さんの名前があります。
伊藤さんと子どもたちが円になって、いよいよ稽古の開始です。本番直前ということで、さすがに緊張ムード……。まずは、商店街のお店の風景をダンスにした前半のシーンの流れをチェックします。 「お茶屋さんのあとは、どこへ行きますか?」 「おばあさんの歩き方は、どうやるんだっけ?」 複雑な動きの流れを細かくつめていく作業に、子どもたちも最初から真剣な表情。「どこからやろうか?」の問いに、全員一斉に「最初からやりたい!」の声。やる気満々です。 10:30 オープニングの入場シーンからのリハーサルが始まります。 お店屋さんの名前やイラストが入った旗を手にして、子どもたちが意気揚々と入場……と行きたいところですが、なかなかうまくいきません。 「旗が遊んでないよ〜〜」 伊藤さんの声かけに一生懸命応えようと、旗を動かす子どもたち。でも、大きな旗が扱いづらいのか、どうもいい動きが出てきません。 「旗はね、振ろうとせずに、こうやってこうやって踊って欲しいな。まずは自分でどうやったらいいかイメージしてみて」 伊藤さんが実際にやって見せながら導くと、子どもたちの顔に輝きが戻ってきました。子どもたちは、いいものを見て、その中で表現の可能性を知ってゆくんですね。
前半部分では「巣鴨のダンス」(!?)や団子作りを身体で表現したりなど、商店街の雰囲気が遊び心一杯に描かれています。さすがお年寄りの町・巣鴨だけあって、みんなおばあちゃんの歩き方にこだわっています。「おせんべえ屋さん」「お茶屋さん」「うなぎ屋さん」などの店が次から次へと移り変わって、まるで観ている側もお散歩気分。稽古とはいえ、なかなかの出来栄えですね。 11:00 「今度はこの続きです。イスを使ってやります」 子どもたち1人1人に場所の指示をして、今度は巣鴨のゆるやかでホッとする空間作りに挑戦。イスを持って、センターにそっーっとそーっと集まります。決して音を立ててはいけません。
伊藤さんは、いい空気ができるまで、根気強く何度も何度も行います。なかなか上手くいかずにイライラしてしまう子どもがいても、いい表現になるまで伊藤さんは首をタテにはふりません。その妥協のない姿勢には、子どもたちにいい作品を創って欲しい、その面白さを発見して欲しい、という熱意があふれています。 何度も繰り返すうちに、子どもたちはアタマではなくカラダで動きの面白さに気づいてくるようです。何よりも、自分たちで取材して創っている作品。それが彼らのイメージを1つにしていったのでしょう。子どもたちはようやくその魅力を理解して動きだし、舞台上の空気も見違えるように良くなってきました。 「うん、いいよいいよー!それそれ!」 伊藤さんからのOKに、ホッと嬉しそうな子どもたちの表情が印象的です。 11:35 イスを使った後半は、とても演劇的なシーン。 「イスに座って、取材したとき思ったことや感じたことをイメージしてみて。言葉でもいいよ。“お団子おいしいよなー”とか“巣鴨っていいなあ”とか。何かセリフを頭に思い浮かべながらぼーっとしてみよう」 イメージは深呼吸しながら行います。それぞれの子どもたちが、舞台上でたった一人の時間を過ごすような感じで、何をするわけでもなく、ひたすらイメージの世界へ。 「みんな何もしていないと思うだろうけど、すごく良いよ!」 子どもたちのリラックスした表情はリアリティがあり、独特の空気をかもし出し、とてもユニークで奥深い表情。じっと見つめている伊藤さんも手ごたえを感じている様子です。
12:50 午後の稽古は、先程の続きから。 イスに座ってイメージするというアクションを、今度は先ほどとは違うポジションで行います。子どもたちは好きな場所へ移動し、それを元に伊藤さんがさらに細かいポジションを指示。移動はもちろんそっと、ゆっくりと……。 人が動くことで、空間の時間がゆっくりとながれ、町の風景をいろいろな角度で観ているような気持ちにさせてくれます。 13:30 「では、今日創ったイスのシーンを通してやってみよう」 このシーンでの注意点は……
これは、みんなが取材してきた「巣鴨」の空間を創るため、絶対に守らなくてはいけないルールです。 いざ、リハーサル。 途中までは緊張感を持ってうまくいっています……。が、ラストの大詰めで、1人の子どもが、本当は歩いてはいけない場所をズイズイっと突っ切ってしまいました!
14:00 いよいよラストシーンの稽古。最後は、全員が舞台上の隅々をそれぞれのおばあさん歩きで歩いて、雑踏のイメージを創ります。町の中でいきいきと存在する “自分”を、手を振ってアピールする、というような、とても素敵なシーンです。 「これでラストだから、頑張ろう!」 お互いの名前を呼び合ったりするちょっと複雑なシーンなので、ここでも細かな段取りが必要になりますが、伊藤さんは子どもたちを励ましながら、細かなところにもこだわって、より自然で輝くような表現を引き出していきます。子どもたちも集中力を切らさないように、最後までくらいついています。 そして、無事にエンディングまで完成……。 明日は日中に最後の稽古を行って、夜はいよいよ本番です。
【追記】 本番は地域の方たちもたくさんいらしてくださって、大盛況だったとか。ん〜ぜひ観たかったー!
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
2005/04
|
|
ワークショップ・レポートでは、今後も全国のさまざまなワークショップを取り上げてゆきます。ご意見ご感想、また「うちのワークショップも取り上げて!」「こんなワークショップを知りたい!」などのご要望がございましたら、こちらまで、どしどしお寄せくださ い。お待ちしています。 |