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アメリカの文化政策vol.3 〜芸術援助方法・公的機関だからこそ!〜
民間主導型と言われるアメリカの芸術援助。しかし、その中心軸を支えているのは公的機関です。しかも、その援助方法はとても合理的で痒いところに手が届きそうな素敵な方法です。前回に引き続き、アメリカ公的機関の芸術援助の方法を覗いてみましょう。 ●無形の芸術作品の保護 ワシントンにある連邦政府直轄の芸術援助機関である「全米芸術基金(NFA)」では、アメリカにどんな芸術作品が存在するのかという現状調査と記録を行っています。 これは、主にダンス作品を中心に「アメリカの文化遺産」という視点からの保守事業として始まりました。もともと、舞踏や舞台芸術を記録する非営利団体は存在していたのですが、どうしても全体像を把握するには規模としては小さく、パッチワーク的にしか記録できないのが実情だったようです。 演劇であれば台本が残りますが、ダンスとなると振付家やダンサーが死んでしまったら、その作品は永久になくなってしまうことが多くあります。しかし、せっかく出来た質の高い芸術作品をそのままなくしてしまうのは、あまりにも切ないですよね。 文化遺産という考え方は、歴史の長い国には当然のように存在していますが、アメリカは歴史的に見ればまだまだ若い国家です。そうは言っても、1492年にコロンブスによって発見され、その後の植民地時代を経て1776年に独立宣言をして、もう230年。この期間に生まれた芸術作品は、やはり大切な「国の遺産」です。 時代の流れを知るとともに、これからの世代に伝えてゆく大切な芸術作品と芸術を愛する心。これを保存してゆくのは、やはり公的機関の役割となることでしょう。 ●NPO法人へのサービス事業 ニューヨークの文化局の外郭団体として設立された「ニューヨーク・ファウンデーション・フォー・アーツ(NYFA)」が、個人の芸術家を援助するためのデータベースを管理・運営していることは前回お伝えしました。それ以外に、「コミュニティー・アセット」といって、芸術NPO団体にもサービスを提供しています。 これは、NFAの行っている助成プログラムに似ていて、非営利団体が長期的に安定して活動が行えるように助成金を出すというもので、基本的には助成事業です。しかし、お金を出して「後はお好きにどうぞ」というものではないところが、NYFAのいいところなのです。 一度助成をすると決まったら、その事業の中身まで足を踏み込み、業務提携をすることで経費を削減できそうな他の非営利団体や、お互いに補完しあうことで事業の効果が倍増しそうな団体などの紹介や仲介、斡旋までしてくれるのです。 これによって、1つの団体だけでは出来ないような事業にも光が見えてきたり、思いもしなかった効果を生み出すなど、事業の拡大と成功に大きく貢献してくれるというわけです。 もちろん、各芸術団体が他の団体の動向を細かく察知し、ともに手を組んで活動をすることが出来れば、そのようなサービスを提供してもらう必要はないのでしょう。しかし、全ての団体の動向を把握するなんて、1つの団体では無理ですよね。こういう役割は、やはり公的機関だからこそ担うことができるのです。 助成の仕事はお金を出すこと。事業が失敗したら切り捨てるだけ。確かにその通りなのですが、それではやはり無責任な気がします。やるからには徹底的に、とことん成功に向けて動く。その意気込みが、芸術家や芸術団体を刺激し、より質の高い事業を行う力になっているのかもしれませんね。 参考文献 ・効率文化施設職員のための制作基礎知識(出版:財団法人地域創造) ・文部科学省ホームページ: http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpad199301/hpad199301_2_074.html ・ニューヨーク・ファウンデーション・アーツ(英文) http://www.nyfa.org/ ・全米芸術基金(英文) http://www.nea.gov/ |
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(文・ O)2006/12/18
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