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ドイツの文化政策 ?芸術に対する責任?
博物館、図書館などと並んで劇場が市民の文化生活の中心的役割を担っているドイツ。今回は、ドイツの公的機関の芸術に対する役割を見てみましょう。 ●日本とドイツの類似点と相違点 ドイツの文化政策は市町村、そして州、最後に限られた部分を連邦が行っているので、公立劇場、オーケストラ、博物館、図書館などの基礎的な文化政策は市町村によって担われています。文化事業は典型的な自治の実践であり、いまだ相対的に広い政策決定権と組織的自由を都市が持っている数少ない領域です。 “この領域の自由を法的規制から責任を引き受けてこそ文化は維持できるもの”と謳っており、この考え方は日本の自治体文化行政論と非常に近いものがあります。 ドイツの文化政策の領域は、伝統的に音楽、演劇、美術、文学などの“芸術分野”と、人間発達の基礎を育む“教育分野”を含むものとされてきました。しかし各州が独立して実施していることや新しい芸術ジャンルが生まれていることから、文化に対する予算については州ごとに異なるものになっています。 歴史的に強大な君主が存在した州においては、その時代から引き継がれている芸術文化機関があり、劇場、オペラハウス、美術館、博物館などが他の州より多くなっているわけです。 ここまでは、日本とドイツとは似ているように感じるのですが、文化を育ててゆく上で決定的に違っている点があります。それは劇場のあり方。 ドイツの公的劇場には2つのタイプがあります。ひとつは演劇、オペラ、ミュージカル、バレエなどの数種類の舞台芸術を交互に、あるいは平行して提供するもの。そしてもうひとつはシーズンが開幕している間、ひとつのジャンルで20〜30の異なった作品を公演していくタイプのものです。 どちらの場合でもシーズン中は1演目につき複数公演行い、年間10本程度の新しい作品や新演出の演目を自前で発表してゆくので、俳優、歌手、ダンサー、オーケストラ、スタッフ等を常勤で雇用しているのが一般的のようです。 つまりドイツの公的劇場は日本と異なり、一般市民に貸し出されるものではなく、プロの公演を行う場所ということなります。そのために、劇場の威信を高めようとする都市間競争は激しくなっています。結果的に優れた作品を発表することによって芸術の質を競っていることになるといえます。 日本の公的劇場の場合、キャストを常勤で雇用しているところはありません。出来上がった作品を予算内で買い取り興行するという形態で、常勤での雇用は必要最低限のスタッフのみ。しかし、最近の文化予算削減の影響で、常勤スタッフすら持たない劇場も増えてきているのが現状です。これでは、ただの箱の管理・提供のみで、芸術に対する責任を担っているとは言いがたいですよね。から、当分目が離せそうにありませんね。 芸術が地方自治に任されているところは日本と類似していながら、その政策の出方がまったく異なるドイツ。一般市民に劇場を貸し出すというレベルの政策も必要ながら、その中で上演される芸術に対する責任も担い、発展させていくというドイツの姿勢は、見習う必要があるかもしれませんね。 (文・A) 参考文献:制作基礎知識 財団法人地域創造発行 |
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(文・ A)2007/2/19
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