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フランスの文化政策 〜文化の民主化を目指す〜

フランスでは、国が主導になって、文化に対する援助を積極的に行っています。それは、どのように行われているのでしょうか?また、文化をどのように発展させようとしているのでしょうか?それでは、フランスの「文化の民主化」という視点からみてみましょう。

●市民の文化に対するアクセスの促進のために

フランスが今日のような文化政策を発展させるまでの過程には、重要な時期が2回ありました。

1回目は、1959年の文化省の設立とアンドレ・マルローの文化大臣就任、2回目は、1981年の社会党政権誕生とジャック・ラングの文化大臣就任です。

マルローが文化省の初代大臣として取り組んだのは「文化の民主化」でした。それは、洗練されたフランスの芸術文化、特に、「パリの文化」をフランス国民が平等に触れられるようにするというものです。

この政策を実現させるため、マルローは、全国に文化会館、通称「文化の家」を建設しました。イメージ的には「総合文化センター」であり、演劇、音楽、映画、テレビ、展覧会、講演などを実施する施設です。

……しかし、1969年までの10年の間に建設された「文化の家」はわずか7施設、現在でも15施設しか建設されていません。

結果的にこの施策は失敗に終わってしまったのです。その原因は莫大なコストの他に、国民の支持を得られなかった点にありました。というのも、マルローは「文化の家」を建設さえすれば「文化の民主化」は実現する……という甘い認識だったからでした。

それに対し、ジャック・ラング文化大臣は「文化」の持つ意味を広げて、地方文化だけでなく、大衆文化や文化産業―――例えば人形劇、オペレッタ、サーカス、料理、ポピュラー音楽、漫画など、それまで無視されていたジャンルまで支援枠を広げました。

ポピュラー音楽ならば、練習場所を探している若者に対する援助、また、練習場所・設備を提供している団体への援助などです。そのほかロックコンサート用のホールの建築も行い、文化省にロック音楽専門官のポストを作り、多額の予算も割り当てました。

ただし、この「政策が成功した」と断言することはできません。もちろん、それまで無視されてきたジャンルの文化にも注目し予算を割り当てたのは大きな変化ですが、全体的な予算規模や配分の内訳は従来とあまり変わりませんでした。

また、大衆文化に対する助成は単発のものがほとんどで、予算額も少なく、一方の伝統芸術は、政府に対する干渉力があるため、支援を多く受けていたようです。

このように、フランスの「文化の民主化」は、予想通りの結果を得られてはいないようです。けれども、多様化する文化に対応しようと、現代文化にも積極的に支援しようとする国の姿勢は、やはり注目するべきです。

そしてフランスでは、今でも文化の価値基準は「質」であると考えており、文化省が自国の文化に責任を持とうとする取り組みに挑み続けています。

一方のニッポンは……???
国が責任を持って文化を高めようとする姿勢は……ありますか???

(文・A)

参考文献・公立文化施設職員のための制作基礎知識(出版:財団法人地域創造)

(文・ A)2007/3/19