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演劇教育の未来
演劇教育にある様々な問題。それら問題に対する解決の仕方は様々にあると思うが、 演劇教育の先進国で実施された活動から、糸口を見つけ、今後の演劇教育のあり方に ついて考えていきたい。 今回は、イギリス・スコットランドの「TAGシアターカンパニー」が、1999年 から行っている「メイキング・ザ・ネイション(僕たちの国を作る)」プロジェクト を紹介しよう。 TAGシアターカンパニーは、1967年に設立された児童青少年ナショナルカンパ ニー。スコットランド中の小中学校、コミュニティセンター、劇場などのツアー、教 師のためのワークショップなど様々な活動を展開している劇団である。 このプロジェクトの特筆すべき点は、「インターネット」と「教師とのパートナー シップの確立」の2点だ。これは、演劇教育の抱える問題(一方的な演劇の鑑賞、プ ログラムを作ることが出来ないなど)に対する1つの“答え”となっている。 まず、スコットランドの4つの場所に教師を集め、2日間にわたって、「ドラマの作 り方」や「授業のプログラム作成」など演劇教育のトレーニングを実施。細かい指示 や意見交換はインターネットによって行うことで、劇団主導の“レッスン”ではな く、教師の自主性を重視した“ワークショップ”を展開していく。 教師は、ワークショップで得たノウハウをそれぞれの学校に持ち帰り、そこで子供た ちとともにワークショップを行う。さらに、インターネットで各学校のネットワーク を作り、ホームページを通じて、学校という垣根を超えた子供たちのコミュニティを 作り出す。このホームページでの主役はあくまでも子供たち。のびのびと自己を表現 し、環境の問題や家庭の問題など様々な問題が議論されるようになる。そして、身近 な問題から、自分たちの住むコミュニティがどうあるべきかを考え、空想をはたらか せていく。このような空想やストーリー作りは演劇のドラマ作りの手法だ。 教師が課題を提示し、それについて調べ、空想し、インターネットで議論する。その 課題は、人種差別から彗星が地球に衝突するといったSF的なものまで様々。それら の事柄を子供達の視点で考え、発表していくことで、表現の楽しさや他者の意見を聞 き、尊重する気持ち、空想することで生まれるストーリーなど演劇的手法が多く盛り 込まれている。 TAGシアターカンパニーの場合、劇団としてはあくまで補佐的な立場を貫き、中心 は教師と子ども。また、インターネットを用いることで、一時的なイベントではな く、継続性を持たせることができる。日本の演劇教育が抱える課題は、ほとんど解決 できているのが羨ましくもある。 教師と子どもが中心となって行う演劇教育。それは、教える教わるという関係ではな く、一緒に楽しみ、自由に表現していく場を作ることではないだろうか。そして、そ の場は、学校内に留まらず、世界中に広がっていくことだろう。 |
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2001/8/20
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