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演劇鑑賞教室があぶない! 助成金編

学校などが行う“演劇鑑賞教室”に対して、自治体の助成金が削減されてきている。 「こんなご時世に、芸術なんかにお金を割く余裕なんかない」というのがよく聞かれ る理由。もっとも、この傾向は、今に始まったことではない。

例えば、東京都西東京市(元・保谷市)。かつて、市立の学校が主催する全ての演劇 鑑賞教室に、ワンステージ50万円前後の助成があり、学校側が子ども達に見せたい 演目をきちんと考えれば、お金の心配はあまり必要なかった。しかし、長引く不況の 中で小学校への助成金が切られ、今年度からは中学校への助成もストップした。東京 都多摩市でも、今年度から助成金がカットされた。このような状況により、「助成金 がないなら、演劇鑑賞教室なんかやらなくてもいいんじゃない?」という学校が続出 している。

はたしてそれでいいのか?
演劇に携わる人間として、子どもに演劇を見せる機会を失うことへの不安もあるが、 それよりも、今、全国の教育機関で進められている「ゆとりの学習」という言葉が偽 善的に感じられ、怒りを覚える。心にゆとりを持たせるための教育が削られるのはど ういうことであろうか?恐怖すら感じる。

そんな中、保谷市第一小学校のPTAで、「演劇教室を考える会」が結成された。保 護者からいくらか徴収してでも、子どもに芝居を見せたほうがいいと、父母の方 たちが立ち上がったのだ。学校で芝居を見せる、ということの大切さや効果について 親が勉強をし、市役所に陳情書を持っていったり、議会を傍聴したりと、今も努力を 続けている。

また、保護者会の資源回収の収益金を使って、演劇鑑賞教室を維持している学校もあ る。

例えば、埼玉県新座市では補助金がない。しかし、何とか子ども達にお芝居を見せた いという強い保護者の要望で、新座市立池田小学校では、集金を一切せずに、資源回 収の収益金で演劇鑑賞教室を行っている。資金が集まらない年にはやむを得ず休止す ることもあるが、去年はバザーを行なってまで実現させたという。

ここで問題になるのは担当教師の忙しさと、演劇への関心のなさだ。

今は隔週土曜日がお休みだが、来年度からは完全週休2日制になる。ここで削られた 授業時間分を他で確保しなければならず、どこのどんな劇団の、どんな演目がいいの かまでを考えている暇がない。そのため、「あの劇団は、去年来てもらったから、と りあえず今年も同じ劇団で演目だけ代えよう」とか、「見たことないけど、近隣の学 校でやったらしいから…」というような、“やっつけ仕事”のような演劇鑑賞教室に なることが多いという。

演劇に関心のある教師が多ければいいが、残念ながら、そんなわけはない。日本の場 合は、むしろ、演劇を始めとする文化・芸術に疎い教師のほうが圧倒的に多い。自治 体から助成金をもらえるうちは「やめよう」とは言わないが、「助成がなくなればす ぐにストップ」という声は、教師の間からも多くあがっているという。

この状況に憂いを持つ教師は、どれだけいるのだろうか?
この状況を打開しようとする人は、どれだけいるのだろうか?

2001/11/5   





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