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〜頑張れ!こども課!〜

東京、大阪はもちろん、名古屋、札幌、福岡などの大都市に住む子供たちならば、生 の舞台芸術に触れることは比較的簡単だ。しかし、これらの都市から少し離れた地域 では、劇場もグンと少なくなるため、学校での演劇鑑賞会でもなければ、子供たちが 生の舞台芸術に親しむ機会はほとんどなくなる。しかも、多くの自治体が文化教育へ の助成金カットを断行している現状に、子供たちのマインドは、芸術からますます離 れてゆく一方である。

そんな中で孤軍奮闘する「高知県健康福祉部こども課ゆめ企画班」は異例の存在だ。 名前を聞いただけでも、顔がほころんでしまうが、その事業内容を覗きみると、誰も が笑顔になること間違いなしである。

核家族化が進み、少子化が深刻な高知県では、少ない子供たちを大切に育てようと、 「こども課」を1998年4月に設置し、個性的な教育事業を展開している。中でも 注目したいのが「21世紀こどもの文化浴事業」だ。

高知県は東西に長く、山間部も多いため、それぞれの地域で演劇を観る機会が非常に 少ない。それでも、生の舞台に接することで、豊な感性と創造力を育んで欲しいとい う強い思いで、開設当初から始まったこの事業。ネーミングには、「浴びるように文 化に触れて欲しい」という強い願いが込められている。

東京などからプロの団体を約10団体ほど招聘し、数日、あるいは数週間の滞在期間 の中で、県内各地を巡回公演していくのだ。

公演会場は、学校の体育館や幼稚園が中心。なんと、3歳以上の入場料は300円 (!)。少子化のために生徒数が少ない学校も多いが、近隣の市町村からも子供たち が集まるため、客席はいつも大賑わい。子供たちにとっても、自分の学校だけでな く、周りの地域までちょっとだけ“遠出”すれば、数作品は観られることになる。普 段はあまり目にすることのない“生”の舞台を、安く気軽に観られるとあれば、大人 からも子供からも大好評。毎年事業報告書が作成されるが、そこには子供たちの声や イラストがふんだんに盛り込まれている。彼らがいかに楽しんでいるかが、はじけそ うな絵の中から十分に見て取れる。

県では当初、年間4500万円の予算を投入し、3年間で県内を一巡する予定で、の べ1万人の動員を見込んでいた。しかし、ふたを開けてみれば、3年間でのべ4万9 千人の動員数を達成。そして、4年目となる今年、2巡目の文化浴がスタートしてい る。

もっとも、初回の8団体58公演、2年目の11団体59公演に比べて、今年からは じまった文化浴は6団体49公演と、規模はやや縮小しているかにも見える。しか し、「子供たちに文化を!」という高知県の意思は強い。こうした活動が、目に見 える形で成果をあげるには、もしかしたら何年、何十年という時間が必要となるかも しれない。だが、しばらくすれば、きっとこの場所から次世代の芸術文化をになう若 者が誕生するはずである。また、そうなることを切に願う。高知県でも、確かな手応 えを感じているという。

こんな時代だからこそ、心の教育を。地方自治体の皆様は、いかがお考えですか?

(文・O)2001/12/3   





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