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地域が支える子ども演劇.3 東京グローブ座

普段演劇に触れる機会の少ない子ども達に、公共ホールや私立劇場がどのように 関わっているのかを紹介するこのシリーズ。第3回目の今回は、東京グローブ座の活動 を紹介したい。

東京グローブ座は、かつてシェイクスピアが活躍したロンドン・テムズ川岸の「グ ローブ座」をお手本に、シェイクスピアの普及を目指した劇場。シェイクスピアを主 なレパートリーとする国内外の劇団を招聘し、質の高い作品を比較的低価格で常に発 信し続けてきた。そして、より広くシェイクスピアを知ってもらおうと1995年か ら始めたのが、「こどものためのシェイクスピア」である。

題名を聞くと、「子供だけしか楽しめないのでは…?」と不安に思う人もいるだろう が、決してそうではない。

「シェイクスピア」と聞いて連想するのが、詩的な美しい言葉と延々と続く長い台詞 だが、それを分かりやすくしたり、言葉の代わりに手拍子で表現したり、さまざまな 小道具をユニークに活用したりと、子供に加えて大人も楽しめる工夫が随所に凝らさ れているのだ。

また、観劇だけではなく、東京グローブ座がプロデュースする「グローブ座カンパ ニー」の演出家や俳優が直接指導する「こどものためのワークショップ」も魅力的で ある。

これは1998年から始められた事業で、人間が持っている感情や行動を呼び覚ます 事を目的としている。小学校3〜6年生を対象としており、カリキュラムとしては、 手拍子だけで会話をするゲームや、2人1組でパートナーとの信頼関係を高めていく ゲームなど、遊び色の強いものになっている。子供たちはこの体験の中で心を解放 し、普段は気にもしていなかった「他人に思いを伝える」という事や、「集団で行動 する」という事を感覚的に学んでいくのである。

期間が1回1時間半で3〜4日間と短めなのが残念ではあるが、人間の本質を追求す るシェイクスピア劇を演じてきたプロの指導を受け、その後にシェイクスピア作品を 観た時、人間の内面の奥深さと、それを表現することの楽しさをより深く実感できる だろう。

ゲームやメールの普及によって、希薄になっている人と人との心のコミュニケーショ ンを救うのは、人の心を感じ、また自分の心を表現しようとする生の感覚である。 シェイクスピアを観て、動いて、まさに心身の感覚で体験できる東京グローブ座は、 何とも欲張りな劇場なのである。 

(文・O)2001/1/21   





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