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日本初のNPO ふらの演劇工房

最近、よく耳にする「NPO」というコトバ。日本語では、民間非営利組織 (Non-Profit Organization)という。さてさて、一体これは何だろう?

市民活動やボランティア活動を行っている非営利団体に、法人としての資格を与えた もの、それが「NPO」である。NPOになることで、税制の優遇処置を受けたり、寄 付がもらいやすくなったり、公益法人として市民権や発言権が大きくなるなど、法人 としての大きなメリットがある。諸外国ではもはや当然のように存在するNPO、日 本でも1998年のNPO法案可決以来、ここ数年で数を伸ばしている。

北海道にあるNPOの1つ、「ふらの演劇工房」は、脚本家・倉本聡氏の私塾「富良野 塾」のファンクラブが母体となって1997年に生まれた団体。現在、「演劇による まちづくり」をモットーに活動を続けている。結成当時は、まだNPOが認められて おらず、財団法人化を目指して応援署名運動を行っていた。ちなみに、そのときに集 まったのは、なんと7千名もの署名。地元の人々を中心に、大きな期待を集めていた ことが伺える。しかし、財団法人化するのに必要な資金3千万円をどう工面するか で、活動は何度も頓挫しかかった。

そんな中でのNPO法案可決は、ふらの演劇工房に新しい光となった。

NPOになるには、多くの市民の賛同を得ると共に、団体を応援し寄付してくれる企 業、財団、自治体等が必要になる。早速、様々なパネルディスカッションや公演、 ワークショップを開催し、演劇の楽しさ、素晴らしさを訴えるだけでなく、地域や教 育、健康などにどう貢献していけるかなどについてを、強烈にアピールしていったの である。

翌1999年、「ふらの演劇工房」は、日本初のNPOとしてついに認可されたので ある。さらに2000年には、富良野市が建設した「富良野演劇工場」がオープン し、ふらの演劇工房にその運営を委託した。NPOが公共劇場を運営するというのも また、日本初のケースである。

現在、「ふらの演劇工房」では、今年だけでもすでに6つのワークショップを終える など、演劇教育に力を注いでいる。学校演劇部顧問のためのワークショップや、初級 編の演劇ワークショップなど、そしてさらにそこから新たな市民劇団を生み出したり と、そのエネルギーは全国でも指折りだ。

こうした活動に惹かれて、多くの人々が富良野に移り住んで、ボランティア活動を 行っている。作業療法士の川口淳一さんもその一人で、学習障害児や痴ほう性老人を 対象にした、演劇リハビリテーションの分野を切り開いている。

NPOは一般市民の情熱によって支えられていることが多い。ふらの演劇工房もま た、情熱的なメンバーたちが演劇に膨大な時間と体力をささげている。演劇が人々の 役に立つなら、深夜まででも稽古場を開放して、その環境作りを完全にバックアップ している姿勢は、NPOならではの姿である。演劇の“創る・癒す・育む”という力を 信じるメンバーの活動は、今後、さらにバージョンアップを続けてゆくに違いない。


(文・O)2001/3/04   





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