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〜高校での総合的な学習の時間?!〜

今年度から本格的な導入になる「総合的な学習の時間」。児童の学力低下や、授業の進め方への不安など、小学校の取り組みに関してはいろいろと取りざたされているが、意外にも、高校における総合的な学習の時間に関する話題は少ない。

高校では、小学校から総合的な学習の時間を体験してきた生徒が入学した時、「またこういう授業か……」と飽きられないようにするためにも、小中学校以上のアイディアやカリキュラムが要求される。ところが、教師側からは早くも「受験に必要ない< 不要>」「教科・生活指導以外にカリキュラムを考えるのが大変<負担>」「やったことがないのでイメージが湧かない<不安>」というネガティブな声があがっているという。

小中学校のような義務教育ではなく、高校の教師は、大学進学や就職を間近にひかえている生徒を持っているだけに、目的と直結させるのが難しい新科目をもてあましてしまう気持ちも分かる。だが、「生きる力を付けるための<横断的・総合的な指導>と <豊かな学習活動>を展開する」という総合的な学習の理念は、そんな学校を卒業して厳しい社会に出て行く高校生にこそ学んで欲しいものである。

現在、学校生活の味気なさや、学習に対するモチベーションの低下を訴えている高校生は多い。学校側からしても、少子化の影響で、伝統や進学実績だけでは生徒を集められなくなっているため、経営的に年々厳しくなってきている。高校における総合的な学習の時間は、これらの問題を解決し、生徒も教師も共に胸を張れるような特色ある学校を作り上げるためにも、必要になってくるのである。

ここで、面白い取り組みをしていた高校をご紹介しよう。

児童減少により3校統合し、総合的な学習を中心にした高校に生まれ変わった「元天草東高校(熊本県)」は、2000年に演劇を活用したカリキュラムを実践した。1年生は「自己の課題発見準備期」とし、身近な環境問題に関してグループごとにテーマを決めて学習。2年生は「仮の自己課題追求期」として、地域学習を中心に6つのテーマを追求し、知識の総合化を図った。3年生は「自己の課題追求期」とし、自己の在り方生き方をテーマに、専門的個人研究をした。そして、これらの発表方法に演劇を用いたのである。

導入初期にはかなりの不安をいだいてスタートしたが、実施の結果、生徒たちは大喜び。教師からも、「生徒と職員の垣根が低くなるように感じられた」、「生徒を多面的に見ることができるようになった」、「地域から評価されることが多くなった」など、かつての不安が嘘のような感想が飛び出しているという。

他人を知り、自分を知り、さらにはコミュニケーション術を磨くことで社会を知る……。そんな力をはぐくむ演劇教育は、総合的な学習の時間の持つ理念に十分当てはまっている。高校生には、それを理論的に理解し、実感できる力がある。こうしたことから、高校の総合学習の時間において、演劇教育が“即戦力”になるという見方をする学校・教師も決して少なくないのである。

あとは、こうした動きをきちんと知り、つなげてゆくことだけが最重要である――。



(文・O)2002/04.15