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まさにコミュニティ!アフリカ演劇事情

一般的には、ほとんど知られていないアフリカ演劇。アフリカには、私たちがイメー ジする「演劇」とは、形の異なる「演劇」がある。

アフリカ演劇が他国の演劇と大きく異なる点は「生活に密着している」という点だ。 演じられるものは、家庭の問題や、貧窮する経済問題などをテーマにしたものが多 い。演劇とは言えども、そこには人々の生活そのものがあり、生の声として表現され る。中心になるのは、若い労働者たち。中には子どももいる。

空想された空間があり、さまざまな比喩的シチュエーションを用いて、日常とは違う 異世界を表現するという、日本の若手劇団のイメージと比べると、アフリカ演劇は、 驚くほどにストレートだ。

アフリカ演劇は、日常の生活に密着して取り込まれている。とはいえ、欧米諸国のよ うに、娯楽文化として親しまれているわけではない。貧富の差の激しい中で、貧窮に 苦しむ一般市民が、日常生活に対する恨みや願い、明日への希望を、生の声として表 現し、社会に訴えるのである。人々は演じることで、観劇することで、精神的に支え あってゆくのだ。

ケニアのストリート・チルドレン収容施設では、子どもたちの職業訓練に演劇を用い ている。施設の広場や遊戯場では、常に演劇が上演され、傷ついた子どもたちの心と 身体を回復させている。

アフリカ演劇は、独特の表現方法をもっている。それは「あまり対話形式を取らな い」ということだ。語られる様々な社会問題を、楽器を打ち鳴らし、歌を歌い、パン トマイムやダンスなどを踊るという、まるで民族的儀式に近い形で表現していく。言 葉を極力使わず、身体の表現力で、喜び、悲しみ、怒り、憎しみ、愛などのさまざま な感情を描くのだ。2000年10月に行われたジンバブエのコミュニティ劇団・Z ACTの日本公演では、国境を越えた共感と感動を呼んだ。

送り手は、多くの人々に対して自分自身の感情をストレートに訴えかけ、受け手は言 葉の壁を乗り越えて表現されるパフォーマンスに心を揺さぶられる。人間の根底に流 れるエネルギーを感じさせるアフリカ演劇は、まさにインターナショナルな表現であ ると同時に、新しい演劇の形であると言えるのだ。

2001/9/3




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