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福祉大国!スウェーデン演劇事情

福祉意識の高い北欧の中でも、もっとも“大国”といえるスウェーデン。高齢者の割 合は総人口の17%と高いわりに、子供と同居している割合は、約4%と先進諸国中 でも低い。これは、高齢者だけでの生活が成立しているという証拠だ。その背景に は、高齢者へのケアが国の法律によって定められており、住宅の支給や家族への援助 が充実しているということがある。そして、スウェーデン演劇は、このような高福祉 の土壌の上に出来上がっている。

スウェーデンでは、すべての人が芸術にアクセスできる環境を整えるのは、国や自治 体の義務と考えている。国内の各地域に劇場等の文化施設を設備し、それでもアクセ スしにくい条件下にある人々のところには「出前」して届けるほどの力の入れよう だ。これによって、演劇人や芸術家の雇用機会も増え、福祉も充実するという一石二 鳥の政策が実施されているのだ。

首都・ストックホルム周辺の市町村では、多くの病院や学校が演劇公演の買い取りを 行っている。これは、劇場に出かけられない入院患者にも舞台芸術を楽しむ機会を提 供するため。買取費用の半分を県が残り半分を市町村が負担している。また、学校に おいても、お金がなく、気軽に演劇鑑賞をすることが出来ない子供たちのために、自 主事業として演劇公演が行われている。この費用も、行政からの助成金だ。

なぜ、これほど演劇の活動に対して国を挙げてサポートを行うのか。それは、演劇や 芸術文化が、人々の心を豊かにし、人と人との関わりを知るツールとして優れている ことを、スウェーデン人も、スウェーデン政府も、十分に知っているからである。今 後、高齢化が進む日本が福祉大国・スウェーデンのこのシステムを見習うならば、日 本の演劇需要も劇場だけに留まらず様々に展開していくことだろう。

しかし、ここで十分に認識しなくてはいけないのが、スウェーデンは、サポートシス テムがあるから行われているのではなく、既に行われていた活動にサポートが発生し たということ。

まだ遅くない。日本の演劇人たちが力をあわせて、劇場から飛び出すのは「今」なの である。

2001/9/17




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