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レボリューション!フランスの演劇事情

文化大国、フランス。この国にも数多くの劇場がある。パリ市内にある158の劇場 で、ある1週間に上演された芝居の数を数えてみると、232の演目にものぼった。 このような恵まれた環境は自然に出来上がったものではなく、戦後、演劇文化が民主 化するための「改革」を続けてきたからである。

第二次大戦直後の労働者階級は、いわば「文化」を知らない最下級的な存在であり、 芸術文化もまたパリにだけ集中していたため、階級・地域の文化格差は目も当てられ ないほどだった。「全ての国民が文化的に豊かになることこそ、国の豊かさにつなが る」と考えたフランス政府は、本格的に動き出した。

1946年から52年のたった6年の間、5つの地方都市に国立演劇センターCDN を設立。国立民衆劇場TNPとCDNは、演劇の地域普及における“伝説”にもなっ た。

90年代に入ると、文化大臣による政策により、文化は「産業」として位置付けら れ、アーティストという職業を法的に明確化したり、フリーの舞台芸術労働者にも失 業保険が適用されるようにしたり、芸術家の年金制度を整備したりするなど、芸術を 一般の職業と変わらないものとした。しかも、文化の民主化、地域化を推進しなが ら、芸術の伝統は捨てることなく、質における妥協は絶対にしなかった。文化大臣の 高い理念とリーダシップに天晴れだ。

フランスの劇場では、「手ごろな入場料金、利用しやすい開館時間」が最低条件であ る。若者のための特別割引制度は当たり前。たとえば、フランスNo.1の権威を誇 る「コメディ・フランセーズ劇場」の場合、27歳以下の学生、あるいは25歳以下の若 者が開演45分前にチケットカウンターに行くと、最も高価な席(185フラン=約3240 円)を、たったの50フラン(約875円)に割引してくれる。さらに、「児童演劇の 日」を設けて、未来のフランスを担う子供たちに、優れた舞台を超低価格で提供して いる。

フランス人は、若き観客が育つことで若き芸術家が育ち、芸術文化が育つことで国全 体が育つということを知っている。もちろん、そのための努力を何年も積み重ねるこ とが大切であるということも知っている。いや、そう信じて、実行しているのだ。

一般的に「文化は金にはならない」と考えられているが、本当にそうだろうか?20 世紀に欧米の先進国が経済的に豊かになったのは、どんな理由なのだろう?
産業革命?第2次世界大戦?これらが起きた理由を考えると、芸術文化や演劇 の役割が、必ずどこかに引っかかってくる。もちろん、1年や2年じゃ結果など出せ るはずもなく、状況を根本から変えるには何十年、もしくは何百年もかかる。だから といってあきらめてはいけない。ずっとずっと努力を続けなければならないのだ。

日本の場合、文化が産業となるのが早いか、ドラえもんが登場するのが早いか。どっ ちに賭ける?

2001/10/01




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