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フィーンが産んだ“芸術の要塞” 後編 1日たりともアートが絶えない国、オーストリア。MQ(前号紹介)の他にも、オー ストリアは芸術の都にふさわしい施設が多く、また、それらのハード(劇場)を利用 した大規模な芸術フェスティバルが数多く開かれる。 「ザルツブルクフェスティバル(7〜8月)」「ブレゲンツ夏の音楽祭(7〜8月)」 「メルビッシュ・夏のオペレッタ音楽祭(7月中旬〜8月末)」「国際ブルックナー音 楽祭(9月〜10月)」などは、主にオーケストラ、オペラ、などのコンサート。音 楽の国と伝えられているだけあって、有名な指揮者やオーケストラが、世界各地か らこの地に集まる。チケットは1年近く前から発売しているが、なにせ「常連客」が 多いため、切符の入手は困難であるという。もちろん、これ以外にも数え切れないほ どのフェスティバルがあるが、全て挙げるとキリがないので、オーストリアのイベン ト年間スケジュールをご覧いただきたい。カレンダーを眺めているだけでワクワクす ること間違いなし! 中でも代表的なのが、5月から6月にかけて行われる「ウイーン芸術週間(5月初 旬〜6月)」。外国からの出演者が多く、良質で大規模な国際的なフェスティバルの 1つである。オペラ、クラシックを中心としながらも、古典劇から前衛劇、現代的な パフォーマンスなど、ジャンルは驚くほどに幅広い。ウィーン市庁舎前広場での開幕 式は無料。市長の挨拶から始まり、オーケストラなどの野外コンサートを楽しみ、ラ ストには花火が打ち上げられる。これだけでも、十分に満足できそうである。 今年の「芸術週間」は5月7日から6月17日に行われた。演劇のプログラムでは、ピー ター・ブルック演出「ハムレットの悲劇」(初夏に世田谷パブリックシアターでも上 演)や、南アフリカの演劇「ル・コステューム」などが、このフェスティバルのハイ ライトとして登場。また、国内で注目される気鋭のカンパニーによる作品も数多く上 演された。 ヨーロッパ第一級の劇場「ブルグ劇場」に代表されるオーストリア演劇が活発になっ たのは、第二次世界大戦後である。1929年にマックス・ラインハルトが創設した演劇 学校「ラインハルト・ゼミナール」も、大戦後に国立音楽演劇大学として生まれ変 わった。音楽やダンスだけでなく、演劇のレベルを徹底的に向上させてゆこうとした オーストリア政府の姿勢がうかがえる。その後、次々と劇場が誕生。今、オーストリ ア劇場連盟に所属する劇場や、個性的な私立劇場など、劇場の密度はヨーロッパでも 屈指。こうした歴史の中で育ってきたウィーンの現代演劇カンパニーの実力に、世界 から集まったフェスティバルの参加者からも、盛大な拍手をおくった。 戦争の爪あとが残る1951年にスタートし、今年で50年目を迎えた「ウィーン芸 術週間」。疲れた市民たちへ希望を!と計画された、伝統のアートフェスティバル。 オーストリアでは、芸術家たちが民衆に勇気や幸せを与え、互いに助け合って生きて いるのが羨ましい。ちなみに、ウィーン芸術週間の主な会場は、やはり「MQ」。来 年以降も、MQでは様々なイベントやフェスティバルが開催される。“芸術の要塞” ともいえるMQは、常にチェックが必要なのだ。 |
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(文・TMK)2001/11/19
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