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ヨーロッパ人形演劇の最先端! チェコ共和国
チェコ共和国では、ヨーロッパの人形演劇の最先端と呼ばれる人形演劇グループが存 在する。「THEATER DRAK 〜劇団ドラック」がそれである。 従来の人形劇は、人形の背後に隠れて操る「パペット・シアター」と呼ばれる手法を 用いているが、劇団ドラックは、その従来の人形劇手法を発展させ、新しい人形劇の かたちを生み出した。それが、「フィギュアシアター・メソッド」だ。 このメソッドは、劇団ドラックの芸術監督ヨゼフ・クロフタ氏が1950年代に提案 した手法である。人の形をしていない“モノ”に命を与え、登場人物として見立て、 さらに、通常では「黒子」に徹するはずの操り手もまた、役を与えられた俳優として 舞台に立つ。セリフは基本的には無しで、舞台美術、音響、照明などを駆使して作品 を造りあげる。“モノ”と俳優と舞台装置が生み出す、クオリティーの高い芸術であ る。そして、その技法は、チェコの劇団ドラック、フランスのフィリップ・ジャン ティー、というように世界中でも高い評価を得ている。 劇団ドラックは、チェコ共和国で1958年に創立後、優れた芸術家たちに恵まれ、 ユニークで斬新な作品を次々に創り出した。その後も人形演劇だけにとどまらず、 ヨーロッパ現代演劇にも多大な影響を与えた。現在も芸術監督を務めるヨゼフ・クロ フタ氏は、その立役者といえよう。 2001年の夏、国際交流基金のプログラムの中で、『日本・チェコ現代人形劇共同 プロジェクト』が開催された。それは、日本の伝統芸能である「文楽」とヨーロッパ の「フィギュアシアター・メソッド」をコラボレーションしようという、世界的にも 興味深い試みである。札幌、東京、長野の日本ツアーと、チェコ、ポーランド、ハン ガリーのヨーロッパツアーを敢行。各地で拍手喝さいを浴び、東洋と西洋の文化を融 合させることに成功した。 「黒子は黒子でなくてはいけない」というルールは、劇団ドラックには通用しない。 演劇はむしろ、ルールのない表現方法にこそ、大きな力を発揮する。伝統を活かしな がらも、固定観念に縛られずに見事に成果を挙げる劇団ドラックは、今後の世界の人 形劇団に大きな影響を与えてゆくだろう。 人形劇団のみならず、固定観念や奇妙なルールに縛られてがんじがらめになってゆく 日本の演劇カンパニーが多いが、確固たる芸術性と、なによりも「これがいいのだ !」と言い切れる自信があれば、世界の人々は必ず評価してくれるということをもっ ともっと信じて欲しい。 |
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(文・TMK)2002/2/18
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