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ちいさな国の豊かな文化 デンマークの演劇
デンマークは、世界でも特にノーベル賞受賞者が多いことからも、文化レベルの高い 国として知られている。国土面積は九州とほぼ同じくらいで、人口は530万人ほど。 人々は自然と共に暮らし、自由な精神を持って、ゆったりと過ごしている。 首都コペンハーゲンには、フォルケホイスコーレという小さな大学がある。ちなみ に、こうした大学は北欧の進んだ社会制度の一つであり、デンマークだけでも100 校、北欧全体では400校ほどもある。 フォルケホイスコーレには入学試験がなく、18歳以上なら誰でも入れる。期間は3ヶ 月から6ヶ月。全寮制で、学生たちは食事や生活を共にする。会社を辞めた後、長期 制の大学に入る前など、この学校で自分のモチベーションを探すというのが多い。 授業は、ほとんどがワークショップ(参加体験型学習)の形をとっている。内容は大 きく分けて3つに分類される。文学、歴史、コーラス、演劇、語学、自然科学などの 伝統的な科目。陶芸、絵画、彫刻、写真、工芸、織物、バンド演奏、サーフィン、カ ヤック、テニス、ダンス、武道、ダイエット、ヨガ、スキーなどの趣味と実践的な科 目。エコロジー、国際関係論、ジャーナリズム学、セラピーなどの現代的な科目、以 上、3分野である。 「生きた言葉」による「対話」と「共生」を通じて、ふさわしい判断力を身につけ、 自分の生きるモチベーションや、他人の気持ちを理解し、自己を見いだす。「生きる ことの喜び」を教えてくれる学校なのだ。 この素晴らしい制度を取り入れた国の演劇はどのようなものなのだろうか。では、以 前に来日公演を行ったデンマークのパフォーマンスを一つ紹介しよう。 トルキルド・リンデビヤールグ・フィン・ライの「フルーエン(はえ)」という作品 は、二人の男性が出会ってから繰り広げるドラマを、パントマイムを使ってユニーク に表現した無言劇である。舞台は黒一色のシンプルなもので、金魚のいない金魚鉢だ けおいてあり、ラストは、真っ黒な舞台で赤い金魚がいつの間にか泳いでるという、 生命を感じさせるシーン。シンプルながらも力強いエンディングに、鳥肌の立つ思い である。 社会制度、教育制度が整った環境の中で生まれる文化は、デンマーク以外の他の国を みていても総じてレベルが高い。それには、国からの理解と、補助が絶対に必要であ る。わが国でも文化の必要性を理解してくれないだろうかと夢を見るばかり・・・。 |
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(文・TMK)2002/3/18
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