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デンマークの劇場法に学べ!
デンマークでは、国が積極的に、演劇を含めたいろいろな文化芸術活動へ援助をするシステムができあがっている。その歴史は、1961年の文化省の設立に始まっている。 演劇の分野では、1986年に「演劇活動に関する法」が公布された。そのあと何度も改良がくわえられて、1992年、現行の「劇場法」が制定された。この法律では、デンマークでの演劇やその他の劇場文化を発展させていくための、いろいろな支援について定めている。 日本でも、昨年末に文化芸術振興基本法が制定されて、やっと文化芸術への取り組み方や支援の方法がいろいろと議論され始めたが、デンマークではもう何十年も前から、支援のシステム化が進められていたのだ。中でも、助成金などの資金面のシステムには、目をみはるものがある。 支援の形としては、大まかには、1)国からの直接の援助、2)県レベルでの援助、3)地方自治体レベルでの援助の3つに分けられる。また、国からの援助の中には、県や地方自治体への資金援助も含まれている。 そして、支援のポイントとしては、国はプロの芸術家へ、県・地方自治体はアマチュアも含めた一般の市民活動にも援助をして、デンマーク全体の半分を国で、半分を県や地方自治体で持つシステムになっている点である。 また、演劇にかかわること全てについて、国や州などに助言したり、各団体に支援したりする「劇場審議会」が設置されている。審議会は財政法で決められている年間総額の範囲内で、いろいろな活動に対して助成金を出すことができる。 たとえば、音響や照明などの演劇活動に必要な備品を、施設内に備えつけるのにかかる費用や、教育目的の演劇活動の補助、劇団の出張公演の交通費、上演中のプログラムのギャランティーや融資などなど…。その用途は、演劇活動に必要なすべてのジャンルにわたっている。これによって、伝統を保護するだけでなく、実験的な新しい活動もスムーズに行われ、さらには、デンマーク全土に演劇を広めるのにとても役立てられているのである。 また、観客に対する補助も国のつとめとしている。 日本でも、劇場の会員になると先行予約ができたり、通常よりも安い値段でチケットが購入できたりする「会員制度」があるが、デンマークでは、ここで出た差額を国や州が支給してくれるのだ。 そのため、公演の予算に合わせた、無理なチケット代のつり上げなどをする必要がなく、劇場も観客もともに安心して、良質の舞台を手ごろな値段で鑑賞することができるのである。 それ以外にも、主に劇作家個人に向けた基金や、子どもむけの劇場に対する支援、劇場がどこかの劇団の作品を買い取って公演する際の支援、オフィスを持てない劇団がオフィスを使えるようにするサービス等々、総額にして、年間120〜130億円ものお金が演劇に対して費やされているのである。 演劇以外にも、音楽や舞踊、子どものためのパフォーマンスなど、すべてのジャンルに関して、おのおのの専門家が審議会を作って国が援助し、法律も定めている。文化芸術の発展に対する投資が、国や社会の繁栄に何倍にも、何十倍にもなって返ってくることを、デンマークの人々は知っているのだ。 日本では、演劇やその他の文化芸術に関する支援金や助成金が驚くほど少ない。バブル期には企業からの劇場に対するメセナなども盛んに行われていたが、今では劇場へのスポンサー付けにも苦労する状態である。 確かに、芸術にはお金がかかる。しかし、お金がないからといって芸術をやめることができるだろうか?芸術のない世界は、存在しうるだろうか?そんな世界が発展するだろうか? |
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(文・O)2002/7/22
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